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顔のゆがみと痛み、神経を圧迫する血管を手術で解消…虫歯・目の疲れとの誤認に注意

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顔のゆがみと痛み、神経を圧迫する血管を手術で解消…虫歯・目の疲れとの誤認に注意
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 顔の片側が勝手にゆがむ「顔面けいれん」と、鼻や口の周りが痛む「 三叉さんさ 神経痛」は、発症の仕組みや治療法は同じです。別の病気と間違えられて診断が遅れるケースが少なくないので、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。(山崎光祥)

なぜ起きる?

 私たちの顔には、表情を作る筋肉(表情筋)をコントロールする「顔面神経」や、知覚をつかさどる「三叉神経」などが走っており、いずれも脳の中にある脳幹につながっています。表面は、「 髄鞘ずいしょう 」と呼ばれる薄いカバーで保護されていますが、脳幹とのつなぎ目には幅1~2ミリほどの隙間があります。

 脳神経の周辺にある血管が中高年になって曲がり、たまたま髄鞘のない部分に接触して神経を圧迫すると、その刺激で神経に異常な興奮が起き、顔面けいれんや三叉神経痛を招きます。

 三叉神経痛については、近くにできた脳腫瘍などが原因になることもあります。

顔面けいれんの症状は?

 顔面神経が異常に興奮すると、表情筋の制御がきかなくなります。

 最初に症状が出るのは下のまぶたで、一定の時間おきにピクピクします。病気でなくても目が疲れた時に似た症状が出るので、見過ごされがちですが、顔面けいれんでは、ピクピクする範囲が下の方に少しずつ広がりながら強まり、顔の半分がゆがんで目が開けられなくなります。このようなけいれんが常に続けば、日常生活や仕事に支障が出ます。人前に出るなどして緊張した時に症状が強まるという特徴もあります。

三叉神経痛は?

 患者の多くは「ビリビリッと電気が走ったように痛い」と表現します。神経性の痛みでは、最も強いとされます。

 三叉神経は、脳幹から出てきた神経が耳の前辺りで、額、頬、下顎の3方向に枝分かれしており、発症の初期は、頬か下顎に向かう神経のある鼻や口の周りに痛みが出ることがほとんどです。そのため、歯磨きや洗顔、ひげそり、食事、会話などをきっかけに痛みが数秒から数分間続いた後、しばらく治まり、また痛みが出るというサイクルを繰り返します。最終的には、風が顔に当たっただけでも激痛が走るようになります。

 初期には、虫歯と紛らわしいので注意が必要です。おかしいと思ったら、脳神経外科を受診しましょう。

どう治すの?

 顔面けいれんや三叉神経痛は「脳神経減圧術」と呼ばれる手術で解消します。まず耳の後方の頭蓋骨に10円玉くらいのサイズの小さな穴を開け、顔面神経や三叉神経に接している血管を離します。こうして神経への圧迫を取り除いた上で、この血管を周囲の組織に手術用のりで接着します。

 顔面神経と三叉神経の近くには、聴覚の神経もあるため、聴力に影響が出ないよう慎重に手術を進めます。

 手術以外の治療法では、顔面けいれんの症状がある場所の筋肉に少量の「ボツリヌス毒素」を注射する方法があります。ただ、効き目は3か月しか持続しないので、何度も再治療が必要になります。

 三叉神経痛に対しては、放射線治療の「ガンマナイフ」も有効ですが、3割程度は再発します。

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