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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

臭う汗と臭わない汗(1)運動不足、エアコン、緊張…生活習慣があなたの汗をクサくする

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脳の発達は汗のおかげ!?

 風邪をひいて体温が38度になったとしましょう。あなたはだるくて仕事や勉強に集中できなくなるでしょう。さらにもう1度上がって39度になれば、もう頭がボーっとして考えることもできません。健康なときの37度からたった2度上がっただけでこのありさまです。

 人間は恒温動物です。外の温度に関係なく、いつも一定の体温を保っています。実は、この体温調節の仕組みは、あらゆる動物の中で人間が最も高度に発達させたものなのです。そのわけは脳にあります。

 人間は中枢神経系の脳を発達させて進化しました。この脳細胞がコンピューターと同様に熱に弱いのです。脳細胞ではいろいろな酵素が代謝を切り盛りしています。その酵素が最も働きやすい最適の温度が37度なのです。つまり人間の平熱37度は脳の適温に合わせているのです。37度は内臓や筋肉といった他の器官にとっては冷えすぎる温度ですが、大切な脳を守るためにみな我慢しているのですね。

汗を敬遠するほど臭い汗に

 人間は脳のために汗をかきます。また、そうして汗腺が発達したからこそ、脳はさらなる進化が可能になったのです。まさに、人類の文明は「汗のたまもの」なのです。

 その大切な汗を現代人は「臭い」、「汚い」、「ベトベト気持ち悪い」と敬遠して、汗をかかなくなってしまいました。この汗をかかないことが、実は、現代人の汗が「臭い汗」になっている原因なのです。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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