いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ
妊娠・育児・性の悩み
「男だって、不妊がつらい」
仕事柄、さまざまな業種の人たちとお会いすることが多いのですが、「NPO法人で不妊体験者の支援活動もしています」と自己紹介すると、必ずあとで、「実は、私も妊活中で……」とか「妹が病院を探していて……」と話しかけられます。しかも、そうやってくるのは、圧倒的に男性なのです。
最初は、言いづらそうに、ぼそっと「今、病院に行っていまして……」と切り出します。「あ、そうなのですね」とまるで天気の話のように答えると、今度はせきを切ったかのように話し続けたり、質問を重ねてきたりします。そして、最後に必ずこう付け加えるのです。「こういうことを話せるところが、なかなかなくて」――。
原因は自分だった、と知って悩む
金融業に勤めるYさん(37)は、妻が不妊治療を始めても、自分は病院には行きませんでした。妻はついてきてほしそうでも強く求めなかったし、「レディース」と名のつく「女性ばかりのところ」に行くのには抵抗があったからだそうです。
しかし1年たっても妊娠しないので自分が検査を受けたところ、男性不妊とわかりました。すぐに顕微授精に進み、幸い2回目で妊娠・出産に至りました。
IT企業のエンジニアをしているKさん(40)は、結婚2年目に3歳年上の妻に子づくりを持ち出されました。その時には「まだいいよ」と先送りにしたそうです。
それから3年過ぎ、「そろそろいいか」と思っても、一向に妊娠の気配がありません。妻が訪ねた病院から「旦那さまも来てください」と言われて赴くと、「軽度の男性不妊」と言われました。すぐに治療を始めたのですが、2年たった今も、まだ妊娠に至っていません。
「妻が年齢のことを気にして、毎日悩んでいる。自分がもっと早く本気で考えていれば……」と語るKさんは、つらそうな表情をしていました。
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