文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ

医療・健康・介護のコラム

「男だって、不妊がつらい」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

自分だけ、と思い込んでしまう……

 

 「不妊の悩みを抱える男性」は、2通りいます。

 「明らかに自分に原因がある」人と、「そうでない」人です。周囲に話せないほど悩みが深いのは、言うまでもなく前者です。

 けれども、「男性不妊」が近年増加の傾向にあることは、事実です。不妊カップルの不妊の原因は、男女半々と言われています。

 これなら、「自分だけ」と思い悩むことはなさそうですが、周囲が口にしないために、「自分だけだ」と思いこみ、一人で悩みを抱えてしまうのではないでしょうか。

 実際、そのような訴えは少なくありません。私のNPO法人で提供している電話カウンセリングや面接カウンセリング、あるいは当事者が集まって話をする「おしゃべり会」などは、近年、男性の利用が増えています。

 たとえば、月に2回、平日の昼間に4時間実施している電話カウンセリングは、2009年は男性の利用が0件だったのが、その後少しずつ増え、2016年には34件(26%)となり、全体の4分の1を占めるほどになりました。

不妊は二人の問題 罪悪感は不要

 ここで男性の方へ、小さいながらも三つの安心材料を差し上げたいと思います。

 一つ、悩んでいるのは、あなただけではありません。

 近年の社会環境やライフスタイルの変化が男性の精子に影響を与えているため、男性不妊が増えているという指摘もあります。自分だけなのだと思い悩まないでください。

 二つ、治療方法はいろいろあります。

 ひとことで「男性不妊」といっても、射精障害や勃起障害から、精子が少ない乏精子症など、原因はさまざまで、治療をすれば問題なく妊娠できるケースも多数あります。

 そのためにも「不妊かな?」という漠然とした不安を抱えたままで長く過ごすのではなく、勇気をもってぜひ一度検査に行ってみてください。男性不妊は婦人科ではなく不妊を取り扱っている泌尿器科でも検査ができます。

 三つ、どうしても病院には抵抗があるときは、自分でも調べられます。

 今は、精子の状態を自分でチェックできる医学部外品の簡易キットなども発売されているので、正式な検査の前に、まずはそれらを利用してもよいのです。

 不妊は、原因が夫婦のどちらにあっても、あるいはどちらとも特定できなくても、二人の問題です。医学的に原因を知ることには意味がありますが、過度に確認を避けたり、逆に検査結果に罪悪感を持ったりする必要はないのに、といつも思います。(松本亜樹子 特定非営利活動法人Fine=ファイン=代表)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

meet-baby_title2-200-200

松本亜樹子(まつもと あきこ)

NPO法人Fine理事長/国際コーチ連盟認定プロフェッショナルサーティファイドコーチ

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

いつか赤ちゃんに会いたいあなたへの一覧を見る

最新記事