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共に働く

医療・健康・介護のコラム

第2部[反響特集]正社員、結婚…「転勤なければ」

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 共働き夫婦の生活について考える連載「共に働く」の 第2部「転勤」 に、夫の単身赴任で仕事と子育てを一人で担う妻や、転勤する夫について行くために仕事を辞めた女性らからメールが寄せられた。一方で、「本人の希望や事情を考慮した制度にするのは、簡単ではない」との声もあった。

個々の事情考慮 難しさも

  連載では、共働き夫婦が家庭と仕事を両立させる際、時として壁になる転勤制度を巡り、一緒に暮らせない苦悩、キャリア形成や生活設計の難しさなどを取り上げた。

 「結婚・出産で退職を選ばなくて良かったと考えているが、疲れがたまり、何もやりたくないと思う時がある。でも、ややもすると、わがままな選択と思われる気がして……」。夫(36)が単身赴任中という四国地方の公務員の女性(35)はメールでそんな思いを寄せた。

第1部[反響特集]正社員、結婚…「転勤なければ」

連載では、結婚直後に妻が単身赴任を経験した夫婦を取り上げた

 仕事は充実しており、まもなく2歳になる息子はかわいくて仕方ない。けれど、毎日保育所の送迎や食事の準備などに追われ、息つく間もない。夫のいる週末に野菜をまとめてゆでて冷凍するなど効率的な家事を心がけるが、「少しそばを離れるだけで大泣きされ、くたくたになる」。

 夫婦共に転勤のある立場で、「マイホームを買う決心もつかない。せめて転勤のタイミングや赴任期間を事前に示してもらえれば、ライフプランが立てやすい。転勤のあり方が社会問題として受け止められるのはありがたい」と話す。

 記事で紹介した夫の転勤でやむなく離職した女性と同様、10年近く正社員として勤めた会社を辞めた経験がある中国地方の女性(34)は「仕事は面白く、働く母親に理解のある職場だっただけに、悩んだ」と振り返った。

 夫の赴任先ではスーパーでパートとして働き、待遇の良い「準社員に」と声がかかったが、「夫が転勤になったら迷惑をかける」と断った。4年ほど前に再び異動があり、今は長女(4)を保育所に預け、一般事務の派遣社員として週5日働く。

 「またいつ転勤があるかと思うと、非正規しか選べない。夫の次の赴任先の保育所に空きがあるかもわからない。私のキャリアは場当たり的につなぐしかない」と言う。

 共働き世帯の増加などを背景に、会社側には本人の希望や事情に考慮した転勤制度への転換が求められている。だが、企業で人事を担当する大阪府吹田市の50歳代男性からは「現実にはそう簡単ではない」との意見も寄せられた。

 転勤を含めた働き方の問題は「会社の存続にも関わる問題」ととらえる。ただ社員の抱える事情は多様だ。「転勤できない」と言う理由には「夫の両親が反対している」「子どもを私立の小学校に通わせたい」などもあり、「親の介護」などと同様に配慮すべきか迷うという。

 「個々に配慮すると、判断する側の価値観が入ってしまう可能性もある。同じような事情でも転勤を受け入れる社員とそうでない社員がいたり、配慮される人とされない人がいたりすると、社員の間で不公平感が 蔓延まんえん するのでは」と懸念する。

 転勤は、働く恋人がいる独身者にとっても、将来設計の障害になることがある。「生涯未婚率の上昇が問題と言われるのに、独身者の結婚のことは全く考慮してもらえない」と会社員の男性(37)は自身の体験に基づき、感想を寄せた。

 昨年東京から大阪に異動になり、結婚を考えていた女性と離ればなれになった。女性の仕事は転勤が難しいため、関東に戻れるよう上司に相談したところ、「彼女に仕事を辞めて来てもらえ。給与や待遇は悪くなるかもしれないが、こっちで職を探せばいい」と軽く言われたという。「『夫が稼いで、妻が専業主婦』という昔の価値観のまま。女性のキャリアを全く気にしない発言にショックを受けた」

 遠距離での結婚も考えたが、「別居がいつまで続くかわからない状態では、踏み切れなかった」。転勤後、1年近く交際を続けたものの関東に戻れる見通しは立たず、最近別れることになったという。「『転勤さえなければ……』と考えてしまう。一方的に転勤を命令する企業文化は、女性も働く社会の現状とマッチしない」と語った。

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 〒530・8551読売新聞大阪本社生活教育部「共に働く」係へ。ファクス(06・6365・7521)、メール(seikatsu@yomiuri.com)でも受け付けます。ツイッターは https://twitter.com/o_yomi_life_edu

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tomonihataraku-500

共に働く
結婚、出産後も働き続ける女性が増える一方、育児との両立の難しさやキャリアアップを描きにくい現状はあまり変わりません。女性が真に活躍するために何が求められているのか。現代の「共働き事情」を描きます。

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