兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン
一病息災
[兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン]脳出血・大腸がん(4)90代まで歌い続ける
昨年3月25日、3年遅れの45周年記念コンサートを東京・EXシアター六本木で開いた。「白いブランコ」や「さよならをするために」など往年の名曲から、坂本冬美さんがカバーした「また君に恋してる」など21曲を歌い上げた。親友のせんだみつおさんも駆けつけた。
この日は、前年に他界した母・キヨ子さんの命日だった。「お母さんが来てくれているよ」。曲間で進さんが語りかけた。
終盤、「さよなら涙」を歌った後、孝さんは「(さよなら涙 この先へ行こう――という歌詞が)僕の今の状態に似ている」と話し、進さんの介助を受けて車いすから立ち上がった。「同じ病気の人やもっと大変な人がいっぱいいる。俺も頑張るから皆頑張れよと言いたい」。そう語りかけると、盛んな拍手が送られた。
病を経て、進さんは「また歌える感謝の気持ちが歌い方に込められていて、自然体なのに前より歌に力がある」と話す。
孝さんは復帰当初、人前に出ることに抵抗もあったという。だが「ファン自身が病気だったり、身内に病気の人がいたりするから今は気持ちが重なる。病気はマイナスだけじゃなかった」と語る。
次の目標は、来年に控えたデビュー50周年記念コンサートだ。「同級生が引退する中で現役でいられるのは誇り」(孝さん)。90歳代まで2人で歌い続けるつもりだ。
(文・原隆也)
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兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン
菅原孝さん(73)脳出血
進さん(70)大腸がん
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