兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン
一病息災
[兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン]脳出血・大腸がん(3)「この先へ」歌に思い込め
兄弟が相次いで病気で倒れたのが2014年5~7月だった。「これでビリー・バンバンは終わりだと思いました」と進さんは当時を思い返すが、翌15年の5月25日、ラジオのバラエティー番組に2人そろって出演できた。孝さんは、10か月ぶりの仕事復帰だった。
番組で、進さんは大腸がんで手術を受けたことを公表した。翌月からは2人でステージにも立った。それまでは進さん一人での出演だった。テレビの歌番組で「前はビリー・半々だったけど、ビリー・バンバンになりました」(孝さん)と報告した。
16年、復帰後初のシングル「さよなら涙」を発表した。進さんが前に作ってあったメロディーに、作詞家の松井五郎さんの詞を合わせた。進さんは、松井さんに詞を3回書き直してもらった。「あり得ないことだけど、メロディーとイメージが合うまでお願いした」と進さん。
そして生まれた歌詞が、♪さよなら涙 この先へ行こう――だった。
「これだ、と。2人で病気をして『この先へ行こう』と前向きに頑張ろうという応援歌になっている」(進さん)。「大人になっていろいろなことが分かってからの曲で、(デビュー曲の)『白いブランコ』よりも良いと思う」(孝さん)とそれぞれの思いを込めた。
自信作を携えて、活動の節目となる大舞台に臨むことになった。
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兄弟フォークデュオ ビリー・バンバン
菅原孝さん(73)脳出血
進さん(70)大腸がん
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