わたしの医見
医療・健康・介護のコラム
西洋医学に冷たさ
長野県諏訪市 主婦 60
4年前の年末、左耳が聞こえなくなった。年末年始は医療機関は休診、正月に父が倒れた。耳鼻科を受診したのは2週間後になり、「手遅れだ。なぜもっと早く来ない」と怒られた。総合病院でも「様子をみるしかない」と言われた。見放され、失望の境地だった。
仕事や今後への不安から、知人の紹介で漢方や 鍼灸 治療をしてみた。どちらも「時間はかかるが治る。あきらめないこと」と励ましてくれた。半年で快方に向かい、今は支障がない。西洋医学に冷たさを感じた体験だった。
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西洋医学というか権威組織の人間の対応の問題でしょうか? 患者サイドの権利意識の高まりや知識の取得の容易化により、臨床の人間的な問題も複雑になって...
西洋医学というか権威組織の人間の対応の問題でしょうか?
患者サイドの権利意識の高まりや知識の取得の容易化により、臨床の人間的な問題も複雑になっています。
冒頭の内容からすると色々とストレスや過労の原因があって難聴を呈していたものと思います。
耳鼻科のなんらかの難聴をきたす疾患の説明として2週間とか1か月以内でないと完治しないというエビデンスが存在したかと思いますが、「病気を治す医師」という役割と責任に心を奪われ、その医師はそのような不適切な対応をしたのだと思います。
そういう状況を産んだのは医師個人だけではなく、社会や患者を取り巻く環境の変化です。
自分もそういう人間的な対応は得意ではないのですが、ものには言い方というものがりますし、エビデンスの不完全性への配慮も足りません。
一方で、漢方や鍼灸は西洋医学を補完する立場(だめでもともと)に立つことも多いので柔らかい対応が取りやすい部分があります。
人間的な対応や患者を取り巻く状況の変化によってストレスが軽減されて難聴が改善した可能性も十分にあります。
内耳の機能的な異常などであったのであれば考えられないことではないでしょう。
あるいはまた別のまれなケースなのかもしれません。
そういう意味では治らないケースだった場合、安易な希望を示す言葉は心を救っても嘘をついていることになりますし、何百例に1人のような確率を100%治るかのように説明してしまった場合はのちのち別の問題が生じる可能性があります。
権威主義者も反権威主義者もエスカレートして事実から離れてしまう傾向にあります。
医師としても患者としても考えさせられる話です
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