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[介護のいろは](6)デイサービス どう選ぶ?

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  利用者が自宅から介護施設に通う「デイサービス(通所介護)」では、食事や入浴などの支援を受けたり、レクリエーションを楽しんだりすることができます。最近では、施設が提供するサービスの内容も豊富になり、利用者が好みや目的に応じて選べるようにもなっています。(家城健太)

リハビリ、趣味目的に応じ

 

[介護のいろは](5)デイサービス どう選ぶ?

グラウンドゴルフを楽しむデイサービスの利用者ら(京都市右京区で)

■カラオケや買い物も

 「頑張ってや」「おお、入った。すごい」「いやあ、おしいなあ」

 5月下旬、京都市西院老人デイサービスセンター(同市右京区)で、室内でグラウンドゴルフに挑戦する高齢の男女約10人の楽しげな声が響いた。午後に行うレクリエーションの一つで、ほかにも利用者が好みに応じて選べるよう、カラオケや塗り絵、手芸などのメニューが用意されている。

 この日の利用者は70~100歳代の約30人。午前9時半頃までに到着すると、まずはこの日どのレクリエーションを楽しむかなど、過ごし方を自身で決める。入浴や食事、体操なども行い、午後4時半頃まで滞在する。時には職員が付き添い、外食や買い物を楽しむ外出イベントもある。

 週1日利用する光岡美奈子さん(86)は要介護1。以前は趣味で山登りなどを楽しんでいたが、昨年末に右股関節の手術を受けた後、歩きづらくなった。一人暮らしを心配する娘やケアマネジャーの勧めで5月初めから通い始め、機能訓練指導員による歩行訓練にも熱心に取り組む。「家にいたら、人としゃべることもない。ここでは、いろんな人と話したり、体を動かしたりして元気になれる」と話す。

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■心身の衰え防ぐ

 デイサービスは、利用者が可能な限り、自宅での日常生活を送ることができるよう、心身の衰えを防ぐのが主な目的。介護する家族の負担軽減にもつながる。要介護1~5の認定を受けた人が利用できる。要支援の人は、市区町村の介護予防・日常生活支援総合事業で、類似のサービスを受けられる。

 基本的には自宅までの送迎があり、3時間以上9時間未満で利用できる。延長サービス(最大5時間)を行うところもある。利用料は利用時間や要介護度、施設規模により異なり、7時間以上8時間未満で6000~1万1000円程度(利用者は所得に応じて1~2割負担)。入浴介助やリハビリなどを受けると、上乗せされる。食事代やレクリエーションで使った材料費などは基本的に自己負担だ。

 各施設で特色があり、陶芸や手芸などの創作活動に力を入れているところもあれば、お茶会などの交流がメインのところもある。最近では、施設間の競争もあり、サービスの質を上げる動きも活発化。外部のシェフによる本格的な料理の提供や、ヨガや学習プログラムを取り入れる施設もある。

 一方、求めるサービスと合致しなかったり、施設の雰囲気になじめなかったりすると、利用をやめてしまうことにもつながりかねない。同センター所長の河本歩美さん(46)は「趣味を楽しみたいのか、リハビリに取り組みたいのかなど、自分の目的に合った施設を選ぶことが大切です」と話す。

[専門家に聞く]雰囲気知るため見学して

 自分に合うデイサービス施設を選ぶには、どんなことに注意すればいいのか。関西の事業者などでつくる「関西デイサービス協会」(大阪府羽曳野市)事務局長、和田峻介さんに聞いた。

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 まずは、自分はどんなサービスが必要かを考え、それに応じた利用時間をイメージしてください。例えば、入浴介助が必要な人やリハビリを頑張りたい人であれば、半日などの短時間で毎日利用する方法もあります。趣味や交流を楽しみたい場合、週に1、2回、朝から夕方まで利用するのもいい。介護する家族の生活とも照らし合わせて考えるとよいでしょう。

 通う目的や希望はケアマネジャーに伝え、施設を紹介してもらいましょう。施設がどんなサービスに力を入れているかは、それぞれのホームページでも確認できます。やりたいことがはっきりと思い浮かばない場合、レクリエーションの選択肢が豊富な大規模な施設を探してみるのも手です。

 事前に見学に行くことも大切。曜日によって利用者が異なるので、雰囲気を知るためにも、自分が利用する曜日に行くとよいでしょう。とはいえ、利用するうちに合わないと感じるケースもあります。気になることはケアマネジャーや施設に伝え、場合によっては施設自体を替えるなどして、自分に合ったところを探してみてください。

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