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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

女性にも加齢臭はある ホルモン変動や疲労、更年期によるニオイの防ぎ方

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洗いすぎは逆効果になることも

 体臭をつくる原因は男性でも女性でも基本的には同じですが、女性の体臭の特徴はホルモンの影響を受けやすいことです。

 たとえば、生理前には皮脂腺の分泌が盛んになり、皮脂が酸化し脂っぽいニオイが強くなることがあります。生理のときの月経血が酸化腐敗し、デリケートゾーンのニオイが強くなることもあります。

 同時に女性の嗅覚も、ホルモンの変動の影響を受けます。一般に排卵時には敏感となり月経期には鈍くなる傾向があります。そのため嗅覚が敏感な排卵期には、体臭の程度は変わらなくても、いつもよりニオイが気になることがあります。膣(ちつ)の常在菌は、膣内を酸性にして雑菌の繁殖を防ぎ、清潔に保つ役割があります。ニオイを気にして洗いすぎると、その働きが弱まり、逆にニオイが強くなることがあるので注意しましょう。

疲労が原因でわきがのようなニオイ

 また、女性は下着やストッキングで下腹部を一日中締めつけるため、汗がムレてニオイがこもり、「汗臭」が強くなることがあります。通気性のよい下着を使用することも大切です。最近、誰にもある普通の汗臭を「陰部のわきがではないか?」と気にする女性が増加しています。そのほとんどは、前回説明したように「自己臭」的に悩んでいる人です。

 疲労が蓄積して体の抵抗力が落ちてくると、膣を守る常在菌の働きが弱くなり、雑菌が繁殖して「わきが」のようなニオイになることもあります。解決策のひとつとして、入浴時に小さじ一杯程度の無糖ヨーグルトを外陰部にパックする方法もあります。ニオイを抑えるとともに、乳酸菌が雑菌の力を弱めてくれます。5分程度行った後は、シャワーでよく洗い流します。ヨーグルトにかぶれる人は避けてください。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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