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心療眼科医・若倉雅登のひとりごと

コラム

この症状なら、どの先生?…ネット検索では分からない「医師の実力」

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 目は体の中では小さな部位ですが、眼科の領域は実に膨大です。「角膜」「緑内障」「白内障」「網膜 硝子体(しょうしたい) 」「神経眼科」「小児眼科」など、専門が細かく分かれ それぞれに学会があります。

「とりあえず大学病院へ」

この症状なら、どの先生?…ネット検索では分からない「医師の実力」

 一般的には「とりあえず大学病院の眼科に行けば、どんな領域でもカバーしてくれる」と思うかもしれません。でも、実際は大学ごとに得意分野があり、その臨床や研究にエネルギーを集中しがちです。そうしないと、国内外の大学との競争に勝てないからです。

 裏を返せば、どうしても弱い領域ができてしまいます。

 大都市では、いくつも大学や大病院があり、地域全体でみれば多くの領域をカバーできます。しかし、「1県1医学部」の地方では、そうはいきません。その地方の大学がすべての領域で質の高い診療をしてくれないと、住民は困るのです。

 私の記憶では、特に地方大学には以前、そのことを強く意識している主任教授が何人もいました。

国際競争の波…高まる専門性、大学病院の限界

 でも、現在ではどうしても国際的な競争の波にのみ込まれて、地方と都市部の区別なく、各大学の専門性が高くなっています。それぞれの専門領域では膨大な知識が必要になります。そこに人材不足も重なって、それぞれの大学で各専門領域を余すところなくカバーすることはできないのです。

 おそらくどの診療科でも、同じ悩みを抱えているでしょう。眼科では、神経眼科、小児眼科を専門とする医師の数が目立って少ないという事態になっていると思います。患者からみれば、受診先を間違うと、最適な対応が受けられないリスクがあるということです。

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201505_第4回「読売医療サロン」_若倉

若倉雅登(わかくら まさと)

井上眼科病院(東京・御茶ノ水)名誉院長
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授、井上眼科病院副院長を経て、2002年から同病院院長。12年4月から現職。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任し、15年4月にNPO法人「目と心の健康相談室」を立ち上げ副理事長に就任。「医者で苦労する人、しない人---心療眼科医が本音で伝える患者学」、「健康は眼に聞け」「絶望からはじまる患者力」(以上春秋社)、「目の異常、そのとき」(人間と歴史社)、医療小説「茅花流しの診療所」(同)など著書多数。専門は、神経眼科、心療眼科。予約数を制限して1人あたりの診療時間を確保する特別外来を週前半に担当し、週後半には講演・著作活動のほか、NPO法人、患者会などでのボランティア活動に取り組む。

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