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かかりつけ医(下)療養支援病院も役割担う

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「自宅や地域で最期」に応える

かかりつけ医(下)療養支援病院も役割担う

 かかりつけ医は、個人のいわゆる開業医だけではない。外来、訪問診療から体調が急変した時の入院まで対応する病院が、「かかりつけ医」の役割を務める場合もある。患者にとって心強い存在だ。

 東京都目黒区の 日扇会にっせんかい 第一病院で5月21日、退院を控えた同区のB子さん(80)が自宅に戻った後の生活支援について話し合う「退院調整会議」が開かれた。

 同病院副院長の八辻寛美さん(44)、看護師や医療ソーシャルワーカーら同病院のスタッフ、ケアマネジャー、介護事業所職員らのほか、B子さんの長女(52)が同席した。

 B子さんと長女は2人暮らし。B子さんは昨年秋、腎臓の機能が悪化して都内の大規模病院に入院した後、足腰が弱った。日扇会第一病院への入院はリハビリ目的で、今回が2回目だ。

 同病院では週1回、医師、看護師らで全入院患者の治療方針や退院に向けた今後の目標などを決める「病棟会議」を開く。その後の退院直前の会議は、自宅で生活するにあたって病院や介護事業所ができる支援などについて話し合うのが目的だ。

 「歩行器が家の中にあると、母は頑張って使おうとする。大丈夫でしょうか」

 初めての介護で戸惑う長女に、スタッフが45分にわたり丁寧に答える。

 B子さんは退院後、訪問診療を受けながら、デイサービスにも通って体の機能の回復を目指す。B子さんの長女は「ここまで色々な職種の方がかかわってくれているとは」と感謝する。

 院長の八辻賢さん(42)は「気軽に利用できる『かかりつけ病院』を目指している」と話す。

 同病院は70床と小規模で、高齢者の内科疾患を中心に診療する。日常の外来診療や急変時の入院受け入れのほか、病院から2駅程度の範囲の約120人に訪問診療も行っており、24時間、365日在宅医療に対応する「在宅療養支援病院」として国に届け出ている。

 在宅療養支援病院は2016年3月末現在、全国に1111病院ある。

 これらは各地域で、患者の日常的な健康管理を行う「かかりつけ医」の機能を担うことができる病院だ。患者の体調悪化に対し自分の病院にいったん入院してもらい、回復を図る治療をできるのが強みになっている。

 日本医師会の鈴木邦彦常任理事は「自宅や地域で最期まで過ごしたいと考える人は増えており、様々なタイプの『かかりつけ医』が対応できるようになるべきだ。研修制度の充実などでかかりつけ医の機能強化を進めたい」と話す。

診療報酬を手厚く改定

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 今年度の診療報酬改定で、国は、かかりつけ医の機能を持つ医療機関の普及を図るため、関係する診療所・病院の診療報酬を手厚くしている。

 24時間の往診・連絡体制があり、在宅療養支援の病院や診療所として国に届け出た医療機関は、従来の初診料に加えて、800円を新たに受け取れるようになった。患者の自己負担は3割の場合、240円増えた。生活習慣病や認知症などを複数持つ患者に24時間対応し、療養の指導を行った際に得られる報酬について、医療機関の要件が緩和された。

 また、認知症と別の病気を併せ持つ患者の診療を行う場合や、 看取みと りで死亡診断を行った場合なども、報酬の上乗せが定められた。

 (石塚人生)

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