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医療・健康・介護のコラム

[女優 奥山佳恵さん](上)次男のダウン症を告げると 母は明るく「みんなで育てましょう」…電話を握って泣きました

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[女優 奥山佳恵さん](上)次男のダウン症を告げると 母は明るく「みんなで育てましょう」…電話を握って泣きました

 ドラマやバラエティー番組で活躍する一方で、2人の男の子の子育てをしている奥山さん。2013年には、次男・美良生(みらい)君がダウン症であることを公表しました。この春、美良生君は小学校へ進学。これまでの子育ての喜びと葛藤、そして将来への願い……母親としての思いをお聞きしました。(聞き手・梅崎正直、撮影・秋山哲也)

秋になって方針転換 小学校は普通学級へ

――美良生君は4月から小学生。家族の生活はずいぶん変わりましたか。

 実は長男も高校進学をして、わが家はこの春、ダブル卒業、ダブル入学だったんです。長男は初めての電車通学を始めたし、美良生は支援型の幼稚園から小学校の普通学級へ。生活全体が一変しました。

――普通学級への進学は、ずっと以前から決めていたことですか。

 昨年の夏までは、特別支援学級と考えていました。そこで温かく見守られ、うちの子に合った時間を過ごすのがいいと思っていました。

 ところが、秋になって、知人の紹介で、障害のあるなしにかかわらず共に学ぶインクルーシブ教育を目指す教師の方に出会って、考えが変わりました。地域の中で地域のみんなと一緒に学んで育つことが大事だと思うようになったんです。それで、方針転換して、普通学級に入ることになりました。

――支援型の幼稚園から、周囲の環境が変わることに不安は?

 美良生は、まだ言葉が不明瞭だし、体も周囲の子より頭一つ小さい。他の子たちの中に入って、精神的に参ってしまわないだろうか……そう心配していました。でも、1か月半が経って、とても明るく元気に通っています。

 朝は主人が学校に送って、放課後は移動支援を受けて学童保育へ。帰りは、私が学童に迎えに行くのがパターン。上級生の仲間に遊んでもらって、楽しそうな顔が見られるので安心しています。

自分のせいだとを感じ 「心が血を流していた」

――これからが楽しみですね。いまは前向きな奥山さんですが、お子さんがダウン症だと知らされた時は、どんなことを考えましたか。

 産んだのは私ですから。出産年齢の影響などもいわれるので、自分の責任だと思ってしまいました。だから、家族の中でも、立ち直るのが一番遅かったと思います。ダウン症について調べれば調べるほど不安になりました。心の傷って本当にあって、そこから血が流れ出るのを感じました。

 最後まで事実を伝えられなかったのは母でした。親子の仲はいいのですが、その好きな母に言って拒絶されたら、と思うと怖かったんです。生まれて何か月もたってから、電話で伝えると、母は明るく「みんなで育てましょう」と言ってくれました。電話の向こうの母にばれないように泣きました。

 それからの私は大丈夫。泣いたことはありません。

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