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介護付き施設への入居考える…有料ホーム費用に開き

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介護付き施設への入居考える…有料ホーム費用に開き

 高齢になり、介護が必要になった時、有料老人ホームへの入居を考える人は多い。気になるのは費用だが、一般の賃貸住宅と違ってわかりにくく、施設ごとに異なる。介護付き有料老人ホームの費用について専門家に聞いてみた。

 東京都内の男性(88)は、日常生活で時々介護が必要な妻(81)と2人暮らし。妻は、短期間の入所ができる介護施設と自宅を行ったり来たりしている。子どもはおらず、近くに頼れる親類もいない。男性も足元がおぼつかなくなってきた。妻と一緒に介護付きの施設に入れないかと考えているが……。

 介護が必要な高齢者向けの施設は、社会福祉法人などが運営する「特別養護老人ホーム(特養)」と、主に民間企業が運営する「介護付き有料老人ホーム」が代表的だ。特養は費用が比較的安いが、介護の必要性が一定以上高いことが条件だ。一方、介護付き有料老人ホームなら、介護の必要性が低くても入居できる。ただし、費用は特養よりもかなり高めだ。

 男性は介護付き有料ホームを探すことにした。ファイナンシャルプランナーで、高齢者の住み替え問題に詳しい岡本典子さんは「有料ホームには、家賃相当額を数年分前払いする『入居一時金方式』と、家賃を月々の諸費用(月額費用)に上乗せして支払う『月払い方式』がある」と話す。入居一時金は施設により数十万~数億円の幅がある。最近では、入居一時金がゼロや、どちらかの方式を選べる施設が増えているという。

 月額費用は、食費や管理費、サービス費などで、何が含まれるかは施設により違う。立地や部屋の広さ、介護の手厚さを反映する職員数などにより、都内の数施設で比べても約20万~約50万円と幅がある。部屋のタイプによっても異なる。

 「大まかな費用がつかめたら、現在の収入と資産を洗い出してみましょう」と岡本さん。収入には公的年金のほか個人年金、家賃収入などがあり、資産には預貯金や投資性商品、生命保険、不動産などがある。自宅を売却するなら、手数料を引いて手元に残る金額を見積もり、住宅ローンなどの負債は差し引く。

 男性の場合、夫婦2人で月約25万円の年金のほか、自宅は約2500万円の売却代金が見込める。預貯金もある。自宅を売ったお金を夫婦2人分の入居一時金に充て、年金で月額費用を払えるホームが理想だ。

 しかし、その予算では満足できるところが見つからない。岡本さんは「子どもに財産を残す必要がなければ、預貯金を取り崩して月額費用に充てることも一つの方法」と助言する。

 そのためには、自分が何歳まで生きるか、ある程度想定する必要もある。岡本さんは「平均余命などのデータを参考に、体調や長生きの家系かどうかを加味して、少し長めに設定してみては」と話す。

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  [アドバイザー]岡本典子さん

 ファイナンシャルプランナー。高齢者施設や住宅など220か所を見学。高齢期を安心・安全に暮らしたいシニア層とその子ども世代向けに、高齢期の住み替え相談やセミナーを行う。著書に「後悔しない高齢者施設・住宅の選び方」(日本実業出版社)。

退去時に戻る金額確認を

 入居一時金と月額費用のほかにもかかる費用がある。介護保険サービスを使った際の自己負担は、要介護度、所得に応じた負担割合(1割か2割)、地域などの条件により異なる。施設ごとに加算があり、手厚い介護を行う施設では上乗せ介護費も必要だ。岡本さんは「加算や上乗せ介護費を除き、約6000~約6万円が目安」と見積もる。

 施設によっては、おむつ代、レクリエーション代なども必要だ。

 また、入居一時金が必要な施設の場合、万一、途中で退去した際にどの程度お金が戻ってくるのかも確認しておきたい。

 候補を決めたら、予約をして見学に行く。施設の雰囲気や清潔感、職員の対応の様子などは、実際に見ないとわからないからだ。岡本さんは「そこでの生活や最期をイメージしながら、自分に合った場所を探すことが重要」と話している。

 (樋口郁子)

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