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田村編集委員の「新・医療のことば」

ニュース・解説

ロボット手術・・・保険適用の手術が拡大

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 2018年4月からの診療報酬改定の際、「ロボット手術」が一気に12種類の手術で保険適用になったことが話題をさらいました。

 これまでは、前立腺がん、腎臓がんの部分切除だけだったのが、胃や食道、直腸、肺がんや縦隔(じゅうかく)腫瘍、膀胱(ぼうこう)がん、子宮、心臓の弁の手術にも広がったのです。

 金銭的な負担が減ったことで、患者は新しい治療を受けやすくなりました。ただ、通常は「保険適用=標準治療として確立された治療」ということになりますが、今回のロボット手術は必ずしもそうではないことを知っておいてほしいと思います。

新たに保険適用になったロボット手術

  • 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術
  • 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術
  • 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除または1肺葉を超えるもの)
  • 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術
  • 胸腔鏡下弁形成術
  • 腹腔鏡下胃切除術
  • 腹腔鏡下噴門側胃切除術
  • 腹腔鏡下胃全摘術
  • 腹腔鏡下直腸切除・切断術
  • 腹腔鏡下膀胱(ぼうこう)悪性腫瘍手術
  • 腹腔鏡下膣(ちつ)式子宮全摘術
  • 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る)

手指のように繊細に

 ロボット手術とは、どんな手術でしょう。

 人工知能(AI)を備えた人型ロボットが、ブラックジャックのようにメスをふるう――わけではありません。

ダビンチのロボットアーム側の様子(2018年2月、東京都内で開かれた日本ロボット外科学会で)

 ロボット手術は、診療報酬上の正式名称を「ロボット支援下内視鏡手術」といいます。

 つまり、体に開けた数か所の穴から内視鏡や手術器具を差し込んで行う「内視鏡(腹腔=ふくくう=鏡や胸腔鏡)手術」に、ロボットの助けを得る、というものです。現在、日本で承認されているロボットは、米国製の「ダビンチ」だけです。

 同じ内視鏡手術といっても、医師が直接操作するものとダビンチによるものでは、器具も操作方法も全く違います。

 医師が、直接器具を持つ従来の手術では 器具を安定させるために患者の体の穴の部分を支点にして動かします。つまり、器具を体内で右に動かしたければ、外で器具を動かす手は左に、左に動かしたい時には右に動かすことになります。

 一方、ロボット手術では、ロボットアームに器具を取り付けて安定させているため、そんな面倒はありません。医師は手術台から離れたところにある操作席に着き、体内を映し出した内視鏡の画面を見ながら、左右2本のハンドルを動かしてロボットアームを遠隔操作します。

 医師の手の動きは数分の一の大きさでロボットアームに伝えられるため、生身の人間よりも繊細な動きができます。また、手術器具の先が人間の手指のように曲がるのも従来の内視鏡にはない特長です。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)
1986年、早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で医療報道に従事し連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。2017年4月から編集委員。共著に「数字でみるニッポンの医療」(読売新聞医療情報部編、講談社現代新書)など。

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1件 のコメント

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機械と採算と医療レベルや地方人口への影響

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

整形外科学会に来ています。 ダビンチではなく、骨切りのオートメーションのロボットが出ています。 職人の仕事であった整形外科医にも機械化の波が押し...

整形外科学会に来ています。
ダビンチではなく、骨切りのオートメーションのロボットが出ています。
職人の仕事であった整形外科医にも機械化の波が押し寄せているということですね。
それ以外にも様々な検査や治療、手術のデバイスが沢山出ています。

こういった、高度機器を用いた医療というのは、先進国の医療水準の高さという国力維持の方策でありながら、一方で、不動産価格も含めて、医療機関の採算を逼迫しています。
患者さんのための仕事とはいえ、医師も雲や霞を喰って生きているわけではありません。
逆に、全てがお金持ちの道楽の崇高な奉仕業務になっては、優秀な人材がそろわないでしょう。
地方人口の偏りの原因として医療レベルや医療採算の偏りは確かにあって、そこをどう調整するか、行政による現実的な介入も問われます。

また、全ての医師がロボット医療と旧来の医療の両方に精通するというのは難しい部分もあって、そういうのをチームとしてどういう風に構築していくのか、血管内治療と外科治療なんかもそうですが、より多くの患者さんやメディカルスタッフの理解も含めて、適性な方向に向かっていけばと思います。

機械は目や手が不器用な医師のレベルや雑な仕事のレベルをすぐに追い抜きます。
しかし、対立因子としてではなく、補助因子として配置することを念頭に置けば余計な衝突も減るとは思います。

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