いのちは輝く~障害・病気と生きる子どもたち 松永正訓
医療・健康・介護のコラム
[インタビュー]18トリソミーの子を持つ親から③――娘の存在を隠す自分を脱し、写真展に参加 「障害=不幸」じゃない!
仲間との集いが心のより所に
―― どういう経緯でTeam18に加わったのですか?
心咲が羊水検査で18トリソミーだと分かり、インターネットで必死に18トリソミーの情報を調べました。そのときに目にしたのが、18トリソミーの子どもたちの写真展を開いていたTeam18です。
出産当時は、「18っ子家族」とつながりたいとか、情報が欲しいという気持ちは、それほどありませんでした。だけど、ブログを書くようになり、心咲と同級生の友達家族と連絡を取り合うようになったことで、写真展に写真を出してみよう、写真展に行ってみよう、写真展でみんなに会いたいな、という気持ちになりました。
―― Team18のいいところはどんな点ですか?
お互いに似た体験をしているので、話をしていて心が休まります。Team18はいつでも存在している、いわゆるコミュニティーなので、近年のSNSの普及を考えれば、「心のより所としてみんなが気軽に集まれる場所」に向かっていくことは自然な流れだったのかもしれません。
Team18は、一人一人の子どもたち、家族が主役になって、18トリソミー児の家族を、社会を、医療を、未来を、さまざまなものをつなぐ役割として活動できるのがよいところだと思います。
18トリソミー写真集を出版 たくさんの笑顔届けたい
―― そして2013年にTeam18の代表を引き継ぎます。今回、クラウドファンディングで資金を集め、写真集を完成させました。約300家族を撮影した約600枚の写真が掲載されています。
18トリソミーに関わる全ての人から、「18トリソミー=重篤=不幸」という考えをなくしたい、その思いから活動を続けてきました。今回、会の結成10周年を迎え、写真集を出版しました。
場所を選ばずに届けることができる写真集がたくさん出版されることで、Team18の存在を知っていただき、この障害を正しく理解していただくことができると思っています。
写真集のタイトルは「18トリソミーの子どもたち」(水曜社)。300ページを超える本の中には、子どもたちの笑みがいっぱいです。(松永正訓 小児外科医)
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