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がん遺伝子検査、数万円で…簡易法6月に臨床へ

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 慶応大学病院(東京都)は、がんの原因遺伝子を調べて効果的な薬を選ぶがんゲノム医療で、従来より簡易に160種類の遺伝子を調べられる検査法を開発した。有用性を確かめる臨床研究を6月から始める。費用を抑えることで遺伝子検査を受けやすくし、がんゲノム医療の普及を目指す。

がん遺伝子検査、数万円で…簡易法6月に臨床へ

 がんゲノム医療は、がんの原因となる遺伝子変異を特定し、これに合う薬を探して治療する。臓器別で薬を選ぶのに比べ、効く可能性の高い薬を予測できる利点がある。ただ、保険が利かないため、自費診療による検査は50万~100万円。慶大病院でも約80万円と、多くの患者には手が届かないのが現状という。

 そこで慶大病院は、解析機器で遺伝子を読み込む回数を従来の半分にし、手順も効率化した簡易検査を考案した。遺伝子変異の有無は確定しないが、疑いがあるかどうかを判定でき、費用は数万円で済む。今回は研究目的のため、費用は病院が負担する。

 来月から始める臨床研究は、慶大病院でがんの切除手術を受ける20歳以上の患者が対象。手術で切除した組織などを検査に転用して採取の手間を省く。また、100人分の遺伝子を一度に調べられる機器を導入し、外部に委託していた解析を院内で実施することで、コストや所要時間を減らす。簡易検査の結果を活用し、薬の選択に役立てる。

 慶大病院によると、従来の検査で、薬が効くかどうかの情報が得られた患者は7割強。実際に薬を使った治療にこぎ着けた患者は1割だった。臨床研究では、3年かけて最大1万2000人を検査し、どのくらいの患者で変異の情報が得られるか調べる。

 西原広史・慶大医学部腫瘍センター特任教授は「現状のがんゲノム医療は患者負担が大きく、医療の格差を助長しているとの指摘もある。誰もが受けられる検査法にしたい」と話す。

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