文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」

コラム

日本人の睡眠時間は先進諸国で最下位! 平日の寝不足は認知症、うつのリスクにも

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

「寝だめ」は体が発する悲鳴と思って

 実際、平日の睡眠不足と週末の寝だめ(寝坊)でやり繰りして、「なんとかやれている」と思っている人が多いですよね。でも、それは睡眠不足の明確なサインで、実は体は悲鳴を上げているのです。最近の研究では、平日の睡眠不足と週末の寝だめを繰り返すライフスタイル自体が、生活習慣病やうつ病、認知症などのリスクを高めていることも明らかになっています。

 「理屈はわかったけど、20代で8時間半の睡眠時間を確保するなんて無理!」。そのような別の悲鳴も聞こえてきます。でも、本当に無理なのでしょうか?

 経済協力開発機構(OECD)が実施した調査(下のグラフ)では、加盟各国の平均睡眠時間は8時間25分でした。この調査には15歳から64歳までの働く世代が回答しています。20代以降の睡眠時間が短くなる世代を含めても、8時間半近く睡眠をとっているのです。

 一方の日本人の睡眠時間は7時間22分(2016年)。加盟国中、最短でした。ちなみに、アメリカ、フランス、イギリスなどの先進諸国の睡眠時間はOECDの平均を超えています。先進国だから、24時間社会だから、などの言い訳は通用しないようです。

*OECD加盟諸国の睡眠時間(15〜64歳)。調査年は国によって異なるが、日本と韓国は絶えず睡眠不足の1位争いをしている。OECD (Balancing paid work, unpaid work and leisure)のデータから筆者が作成

 通勤時間が長い、労働生産性が低い、寝不足自慢の国民性、さまざまな要因が挙げられていますが、決して解決できない問題ではありません。私にはそう思えます。(三島和夫 精神科医)

2 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

photo_mishima-prof

三島和夫(みしま・かずお)

秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座 教授

 1987年、秋田大学医学部卒業。同大助教授、米国バージニア大学時間生物学研究センター研究員、スタンフォード大学睡眠研究センター客員准教授、国立精神・神経医療研究センター睡眠・覚醒障害研究部部長を経て、2018年より現職。日本睡眠学会理事、日本時間生物学会理事。著書に『不眠症治療のパラダイムシフト』(編著、医薬ジャーナル社)、『やってはいけない眠り方』(青春新書プレイブックス)、『8時間睡眠のウソ。日本人の眠り、8つの新常識』(共著、日経BP社)などがある。

Dr.三島の「眠ってトクする最新科学」の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事