教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
心が弱くてアルコール依存?
習慣的な飲酒で誰でも
Q 「TOKIO」の元メンバーが、お酒を巡るトラブルを起こしてしまったね。
ヨミドック トラブル発覚後、他のメンバーから病気を疑う声も上がっていました。背景にアルコール依存症があった可能性も考えられますね。
Q アルコール依存症ってどんな病気なの。
ヨ 大切な家族や仕事、趣味などよりも、飲酒を優先させる精神疾患です。好きだから飲んでいたはずなのに飲むこと自体が目的になり、やめられなくなってしまう点が、酒好きとは異なります。
Q どんな症状が出る?
ヨ 飲酒の量や時間をコントロールできない、酔いがさめると手のふるえやイライラ、幻覚などの離脱症状(禁断症状)が出る、酒のせいでトラブルが起きているのにやめられない、などです。
Q 心が弱いからかな。
ヨ いいえ。意志や性格の問題ではなく、脳がアルコールの刺激を求めてしまう病気です。習慣的に飲み続けると、誰でもなる危険があります。
Q なりやすい人はいる?
ヨ 「酒で顔が赤くなりにくいけれど、翌日もお酒が残る」という人です。患者は中高年の男性が多いですが、女性でも増えています。
Q 治療できるの。
ヨ はい。まずはアルコールに伴う内臓や精神の疾患を治し、体内からアルコールを抜きます。次いで患者自身に飲酒の問題を認識させ、一滴も飲まない断酒を決意させます。断酒を続けるためには、飲酒行動を抑える抗酒剤の服用のほか、自助グループなどへの参加が勧められます。
Q 自助グループ?
ヨ 同じ問題を抱える当事者たちが体験を語り、支え合うことで酒との関係を断つ取り組みです。仲間とつながることで自分を見つめ直すことができるようになり、断酒の継続に効果的です。
Q 仲間が大切なんだね。
ヨ ただ、依存症は「否認の病」とも言われており、本人は認めたがりません。サインに気付いたら、家族が保健所や専門医療機関などに早めに相談してください。この病気も早期発見が重要です。
(森井雄一/取材協力= 真栄里 仁・国立病院機構久里浜医療センター教育情報部長、今成知美・特定非営利活動法人 ASK 代表)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
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