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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

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杏里とあかねの「認知症介護あるある」(中) 和やかな嫁姑×激突する父娘

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漫画・日野あかね

 この連載の漫画を担当してくださっている日野さんとの「認知症介護あるある」トークの続きです。

 日野さんも認知症のお義母(かあ)さんの介護を約6年間されていました。前回は、「同じ認知症の人でも、こんなに違うのか」と互いに驚き、「十人十色に症状があり、家族の対応もそれぞれ」というお話を紹介させていただきました。

 そして今回は、逆に「それは認知症介護あるあるかもね~」と、深く共感し合った話を紹介させていただきます。

他人だから優しくできる?

 私は父さんが「認知症」だとわかっていても、トンチンカンなことを言ったり、不可解な行動(事情をじっくり探れば、実はちゃんと理由がある)をすると、自分でもビックリするぐらい感情が抑えきれず、イライラが爆発してしまうことがあります。そして以前よりは少なくなりましたが、父さんにヒドイことを言ってしまい、後悔の念に駆られることも……。

 ところが、日野さんの話を伺っていると、認知症のお義母さんも日野さんも、とても穏やかな日々を過ごされていたようです。

 「一体、何が違うの?」という私の疑問に、日野さんがこうおっしゃいました。「そもそも他人だから、優しくできる。実の親だったらもっといろいろストレートに話すし、ぶつかることもあるかもしれない」

 日野さんのおっしゃる通りで、実の親だと関係が近すぎて、「イライラ」の原因が起こったときなどに一呼吸おく間が持てず、容赦も遠慮もなくドッカーンと感情をぶつけてしまうことがあるのです。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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