医のねだん
医療・健康・介護のニュース・解説
認知症サポート医と連携すると?
かかりつけ医と共に報酬
糖尿病、高血圧、足腰の痛み、そして認知症……。高齢者は複数の持病を抱えることが珍しくありません。ただ、身近な「かかりつけ医」が、生活習慣病には詳しいけれど、認知症の診療経験は少ない、ということもあります。
こういう場合、かかりつけ医が診療を続けるとしても、認知症に習熟した「認知症サポート医」の指導や助言を受けてくれた方が安心なこともあるでしょう。
今春の診療報酬(医療の公定価格)改定で、そんなふうにかかりつけ医がサポート医と連携した場合に、双方の医師に報酬が支払われるようになりました。サポート医でもある、東京都大田区のたかせクリニック理事長、高瀬義昌さんは「かかりつけ医が『認知症の症状が安定しない、薬の調整がうまくいかない』など、認知症の治療・対応に迷った際に助言を求めるとよいかもしれない」と話しています。
かかりつけ医がサポート医と連携する場合、患者さんは、かかりつけ医から紹介されたサポート医を一度受診する必要があります。診察したサポート医は、その後の治療方針について、かかりつけ医に助言します。かかりつけ医は、その助言を踏まえて療養計画を立てて診療を継続します。
患者さんは、サポート医の診察後、「認知症サポート指導料」(1割負担で450円)が含まれた医療費を窓口で支払うことになります。次にかかりつけ医を受診したときに「認知症療養指導料」(1割負担で300円)が含まれた医療費を支払います。
認知症サポート指導料は、患者1人につき、6か月に1回しか請求できません。認知症療養指導料を請求できるのは患者1人につき、月1回、6か月までです。
サポート医の指導を受けると、一時的に支払う医療費が数百円高くなります。ただ、漫然と飲んでいた不要な薬をやめる機会になれば、その後の薬代が継続的に減る可能性はあります。(高橋圭史)
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