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介護・シニア

在宅で歯科の受診

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そしゃくの衰え 認知機能に影響も

 歯に関する悩みがあっても、「歩くのが困難」などの理由から、診療を受けていない高齢者もいるだろう。だが、口の中のケアを怠ると、健康状態の悪化につながりかねない。そこで、歯科医や歯科衛生士が自宅で診察や治療をしてくれる「訪問歯科診療」が注目されている。

在宅で歯科の受診

 訪問診療に力を入れる大阪府寝屋川市の歯科医、坂井秀明さんによると、口の中は雑菌が繁殖しがちだ。「高齢者が 誤嚥ごえん した場合、口内の雑菌が肺に入って肺炎になる危険性が増す」と警告する。誤嚥性肺炎は、多くの高齢者が命を落とす恐ろしい病気だ。

 認知症との関わりも指摘される。厚生労働省研究班が2011年に発表した研究によると、歯がほとんどなくて入れ歯も使っていない高齢者が、認知症を発症するリスクは、歯が20本以上ある人の1・9倍に上る。そしゃく機能が衰えることで、認知機能も低下する恐れがあるという。

 訪問歯科診療の主な対象は、病気やけがのために通院での治療が難しく、在宅などで療養している人だ。要介護認定を受けている高齢者が多い。

 訪問診療を受けたい場合は、ケアマネジャーに依頼して、診療を組み込んだケアプランを作ってもらう。通常の介護サービス量の中に訪問歯科診療は含まれないので、従来受けているサービスに上乗せする形で利用できる。

 受診できるのは、原則として、自宅から半径16キロ以内にあり、訪問診療を行っている歯科医院。範囲内に歯科医院がない場合は、ケアマネに相談しよう。

 診察は、ベッドや布団に寝た状態や、椅子に座った状態などで行われる。レントゲンなど訪問診療用の機器を医師らが持参するため、通院時と同様の治療が受けられる。利用者は電源と水を提供する程度。「事前の歯磨きなども必要ありません。普段通りの方が、その後の指導をしやすくなります」と坂井さん。

 虫歯の治療などは、医療保険が適用される。そのほか、介護保険の「居宅療養管理指導」で、入れ歯の手入れ方法などを教えてもらえる。

 1回の診療にかかる時間は20分前後。自己負担額は状況によって異なるが、通院でかかる治療費に1500円上乗せされるぐらいが目安だ。上乗せ分の内訳は、訪問診療料と居宅療養管理指導費だ。

 治療する前に、無料訪問検診を行う歯科医院も増えている。歯科医や歯科衛生士が自宅を訪ね、口の中の状態を見て、費用や治療方針を説明してくれる。坂井さんは「訪問診療に不安を感じている人は、まず無料検診で説明を受けてみては」と助言している。

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