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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

わたしニオうんです――自己臭症(下)見えないニオイへの妄想 人工知能で解消も

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わきが恐怖は汗腺の確認で解消

 「わきがではないか?」と悩む人にも、本当はわきがではない自己臭傾向の人がいます。この場合、最も正確な可視化の診断は「試験切開」という医学的診断法です。わきがの場合には、アポクリン腺という汗腺が必ずワキの皮下に存在します。麻酔下でワキの皮膚を数ミリ切開し、鏡で患者さん自身が見れば、イクラの卵のように明確に確認できます。「アポクリン腺があるかないか。多いか少ないか」が一目瞭然に分かるのです。百聞は一見にしかず。自分の目で見て確認するなら、「アポクリン腺がない(または少ない)」つまり「わきがではない」ことを実感でき、「わきが恐怖」が解消されます。

閉じこもると妄想は強まる 人間関係の中で克服を

 自己臭症の人にとっては「心の持ち方」が大切です。まず人間関係を避けないこと。人の心や体には、ある状況にさらされると慣れる、つまり免疫ができるという性質があります。

 人を洗脳するとき、誰にも会わせないで同じ言葉を繰り返すと簡単に洗脳されるといいます。人と会わずにいると、「自分は臭い」という自分の思いに洗脳され、妄想が固着化して強くなるばかりです。人間関係から生じた体臭の悩みは、人間関係を通じてしか解決できません。どんどん他人の中に入っていって、良好な人間関係を築いてください。

 自己臭妄想の「妄想」は「予感」と似ています。他人のせき込みが気になるのは、あなたの心がせき込みを「予感」しているからです。「予想」はハズれますが、「予感」は不思議に的中するもの。それは、起きている出来事に自分の心の状況を映し出してしまうからです。

 「妄想」の対極にあるのは「共感」です。共感とは相手の気持ちを推し量ることです。他人の心の内に入って相手の気持ちを推し量る「共感関係」をつくることができれば、想像力が養われ、自分の立場から他人のしぐさを無理に結びつける自己臭妄想は克服されるでしょう。共感関係こそが、お互いに体臭を受容できる良好な人間関係ではないかと思います。(五味常明 五味クリニック院長)

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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