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スマホ「子どもに悪影響」51%…昨年より10・8ポイント増

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 スマートフォンや携帯電話を利用している東京都内の小学生から高校生の保護者の51・2%が、子どもに睡眠不足や集中力の低下などの「悪影響がある」と感じていることが、都の調査で分かった。昨年の調査より10・8ポイント増えている。都の担当者は「連休中に改めて家族でスマホの利用方法を話し合ってほしい」としている。

睡眠不足や視力低下

スマホ「子どもに悪影響」51%…昨年より10・8ポイント増

 調査は2月に行い、都内在住で小学4年~高校生の子どもにスマホなどを持たせている保護者1500人に、利用状況などを尋ねた。同様の調査は、2009年から実施している。今回の調査では、小学生の保護者の40・4%、中学生では83・6%、高校生では93・6%が、子どもが「スマホを利用している」と答えた。

 「悪影響」の内容を複数回答で尋ねたところ、睡眠不足が19・9%と最多で、視力低下が18・7%、勉強への集中力や記憶力の低下が15・3%と続いた。

 利用中のトラブルについては、昨年調査よりも6・5ポイント増の16・2%が「ある」と回答した。無料アプリやメールが原因で友達とトラブルになったり、身に覚えのない料金をメールで請求されたりするケースが目立った。

 家庭内のルールについては、作っているとの回答が同12ポイント増の71・7%だったが、作っていない家庭も28・3%あった。ルールの内容(複数回答可)は、利用時間の制限(34・6%)、困ったときはすぐに保護者に相談する(30・8%)などだった。

 携帯電話各社は、アプリの入手や起動を制限するサービスを提供しているが、こうしたサービスを利用しておらず、特段制限も設けていないとの回答は36・1%だった。有害サイトへの接続を遮断するフィルタリングサービスについても、34・9%が利用していないと回答した。

 時間や金額、利用するサイトを「監督できていない」との回答は56・5%で、「できている」(36・7%)を上回った。

家庭でルール掲示有効

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安川理事長

 スマホなどのトラブル防止に取り組む「全国webカウンセリング協議会」(東京都港区)の安川雅史理事長(52)に、子どもがスマホを使う際の注意点を聞いた。

 スマホを使い始める年齢は下がり続けている。子どもを信じるだけでは、ネット上の様々な悪意から子どもを守れない。

 有害サイトへの接続を遮断するフィルタリングの利用は必須だ。購入時、携帯電話のショップで設定してもらえる。新たなアプリの入手や利用についても、端末で制限することが必要だ。設定変更に必要なパスワードは子どもに知られないよう管理すべきだ。

 家庭内のルールでは、〈1〉リビングなど家族の目が届く場所で使い、自室には持ち込まない〈2〉深夜から朝までは使わない〈3〉SNSへの投稿は、他人にどう見られるかを冷静に考える――などを明記するべきだ。ルールを子どもに書かせ、家族が共有できる場所に掲示すればより有効。保護者が知識を身につけ、なぜ利用を制限するのかを、納得してもらえるよう説明したい。

 トラブルがあれば、子どもの表情やしぐさに出る。困ったことがあれば、すぐ親に相談する関係を作っておくことも大事だ。

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