書籍紹介
もっと知りたい認知症
『コグニサイズ・コグニライフで認知症は自力で防げる!』 島田裕之著
いまや国民的関心事とされる認知症。長年、この研究に取り組み、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市。以下、長寿研)で予防老年学研究部長を務める著者が、認知症のしくみ、有効な予防法などについて、図解を交えてわかりやすく解説している。
「認知症予防の決定版!」と太鼓判を押すのが、長寿研が考案、開発した「コグニサイズ」。英語のコグニション(認知)とエクササイズ(運動)を組み合わせた造語で、頭を使いながら運動をするプログラムだ。複数の臨床試験で、認知機能の向上といった効果が確かめられているという。
一例を挙げると、数をかぞえながら、3の倍数のときに手をたたくのは基礎編。高難易度になると、足踏みをしながら、倍数のたびに「イチゴ!」「キャベツ!」といった具合に果物と野菜の名前を交互に言う。若い人でも四苦八苦しそうだ。
また、買い物のときに合計金額を暗算したり、自宅で新聞を速いペースで正確に音読したりするなど、日常生活で脳を鍛える「コグニライフ」の実践も呼びかけている。
コグニサイズを紹介するページの写真わきにはQRコードが付されており、スマートフォンなどで動画を再生することができる。体操のDVDも付いている。健康長寿のガイドブックになる一冊だ(すばる舎、1600円税別)。
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