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五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」

医療・健康・介護のコラム

女性に嫌われる成分も! ガンコな頭のニオイをなくすには?

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髪は外からも内からもニオイを吸い込む

 頭のニオイは、大きく2種類に分けられます。「頭髪臭」と「頭皮臭」です。

 髪の毛は、空気中に浮遊するニオイを吸収・吸着する性質があり、さらに自分の頭皮から発生したニオイも付着します。つまり、髪の毛は、外からと内からのニオイを両方吸い込んで、それらを濃縮して発散させてしまうのです。

ストレスが「頭皮臭」を強くする

 まずは、頭皮臭から説明しましょう。頭皮のニオイと関係が深いのは「フケ」です。フケは頭皮の角質細胞で、体のあかと同様に、古くなるとはがれ落ちてきます。フケが出ることは普通の生理的現象で問題ありません。が、異常にフケが多いと、そのたんぱく質が細菌の栄養となり、ニオイを発します。

 フケが増える原因には、ストレスや睡眠不足、刺激物や甘いものの過剰摂取などがあります。特にストレスが強いと、副腎皮質ホルモンが増加して皮脂の分泌が盛んになり、より菌が繁殖してニオイも強くなります。

 また、頭皮の真菌が増え過ぎてフケ症が進行すると脂漏性皮膚炎となり、頑固なニオイの元になります。真菌ですから、かび臭いニオイです。この場合は、皮膚科を受診し、抗真菌剤を処方してもらうのがよいでしょう。

 フケの予防には、睡眠を十分とり、ビタミンB類をしっかり摂取するなどして、生活全体を整えることが大切です。

女性に嫌われる「ミドル脂臭」も頭皮から

 最近注目されている頭のニオイは「ミドル脂臭」です。ミドル脂臭はある化粧品メーカーが発見したニオイで、皮脂の分泌が最も盛んな30代から40代の男性の頭部から後頭部にかけて特に発生すると言われています。

 ミドル脂臭の元はジアセチルというニオイ成分で、汗の中に含まれて出てくる疲労物質の乳酸が、頭皮にすむ細菌に分解されて発生します。ジアセチルは非常に拡散しやすく、頭皮の皮脂と混ざると、少量でも、古い脂のような不快なニオイになります。特に女性を不快にするニオイなので、「つわり臭」と揶揄(やゆ)されることもあります。

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五味常明(ごみ・つねあき)

1949年、長野県生まれ。一橋大学商学部、昭和大学医学部卒。昭和大で形成外科、多摩病院で精神科に携わった後、体臭・多汗研究所を設立。現在は、 五味クリニック 院長として、東京と大阪で診療する傍ら、流通経済大スポーツ健康科学部の客員教授も務めている。

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