五味院長の「スッキリ!体臭で悩まなくなる話」
医療・健康・介護のコラム
女性に嫌われる成分も! ガンコな頭のニオイをなくすには?
予防のカギはゆったり呼吸とクエン酸
ミドル脂臭の対策で最も大切なことは、体内で乳酸をつくらないことです。乳酸は、酸素が不足した状態でエネルギーをつくると産生しやすくなりますので、ゆったりと酸素を十分に吸って行動することが大切です。息つく間もなく動きまわり疲労が蓄積すると、乳酸が汗から出やすくなり、ミドル脂臭が強くなります。
具体的な対策としては、乳酸の産生を抑えるクエン酸を摂取するのもよいでしょう。クエン酸は醸造酢やレモンなどのかんきつ類、梅干しに多く含まれています。
食用のクエン酸を大さじ3杯くらい湯船に入れて入浴するのも効果的です。入浴で疲労がとれると乳酸が排出されますので、仕事の後にはシャワーだけで済まさず、ゆったりと湯船につかるとよいでしょう。乳酸は汗腺の機能が衰えると出やすくなりますので、入浴でしっとりと汗をかくことは、汗腺のトレーニングにもなります。
合成シャンプーでゴシゴシはNG
頭が臭いからと言って、入浴時に合成シャンプーでゴシゴシ強く洗うのはNGです。頭皮の皮脂を過剰に洗い流すと、頭皮は不足分を補おうとしてより多くの皮脂を分泌し、逆効果になります。
3日に1回くらい、粗塩で「塩洗髪」をするのは有効です。洗髪の前に、洗面器の湯に粗塩を小さじ2から3杯程度入れ、その湯で頭皮をマッサージするように洗います。あとは、ぬるめのお湯で塩を洗い流します。塩には、垢(あか)などのたんぱく質を溶かして取り除く働きがあり、皮脂は適度に残してくれます。頭皮の健康が保たれ、ニオイの予防にもなります。
ドライヤーの使いすぎで「頭髪臭」が
次に頭髪臭。最も多い原因は、外からのニオイ物質の付着です。髪の毛にニオイがつきやすい場合は、洗髪やその後の乾燥の仕方に問題があります。
高温のドライヤーで一気に乾かそうとすると、髪のキューティクルが傷つきます。そこにニオイ分子が付着しやすくなるのです。洗髪後は、まず乾いたタオルでよく水分を拭き取り、ドライヤーは短時間使用しましょう。急いでいる時は、頭にタオルを当て、その上からドライヤーの温風で乾かすとよいでしょう。(五味常明 五味クリニック院長)
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