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外来アリ「ブラウジングアント」国内初確認、名古屋港で25日から根絶作戦

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外来アリ「ブラウジングアント」国内初確認、名古屋港で25日から根絶作戦

在来種の女王アリ(中央)を取り囲んで襲うブラウジングアント(名古屋港で)=自然環境研究センター提供

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 名古屋港で昨年夏、見つかった外来種のアリについて、愛知県は国内初の「ブラウジングアント」と確認し、25日から地元の自治体と水際での根絶作戦を始める。

 昨年春以降、各地で発見されたヒアリのように人を刺すことはないが、担当者は「強い繁殖力を持ち、速やかに駆除しなければ生態系に深刻な打撃を与える」として、国に特定外来生物への指定を求めるとしている。

 ブラウジングアントは南欧原産。一つの巣に複数の女王アリがいて、急速に生息域を拡大させている。ブラウジングは「食らう」「かじる」という意味。オーストラリアでは巨大な巣を作って生態系を荒らす「侵略的外来アリ」に位置づけられている。どこの国や地域から日本に上陸したかは不明という。

 県が初めて見つけたのは昨年7月。環境省と合同でヒアリについて同県飛島村の同港飛島ふ頭を調査した際、コンテナターミナル近くで長さ約350メートルの巨大な巣を作っていた。ほかにも複数の巣を確認し、その後、同県弥富市の鍋田ふ頭でも発見した。

 県は同年10月、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室(茨城県つくば市)の 五箇ごか 公一室長と改めて飛島ふ頭を調査。国内のアリにはないスピードと活動量を持っているとして、水際対策が必要と判断した。バッタやコオロギなどの昆虫に大群で襲いかかり、巣を広げるのも早い。コンクリートの隙間などに生息するため、住宅地に入り込み、繁殖する危険もあるという。

 五箇室長は「巣の周辺に日本のアリがいなかったことからも在来種を駆逐していることは明らか。早期の根絶が必要」と話す。

 県、飛島村、弥富市は昨年11月以降、両ふ頭で3回ずつ駆除を実施したが、不完全で現在も生息しているため、今年度は駆除を各10回に増やす。殺虫剤をまくほか、捕獲用のわなも使用して、どれくらいいるのか確かめる。

 特定外来生物は、人の生命や生態系などに被害を及ぼす場合に国が指定する。指定されると、自治体は駆除する場合などに国の支援(補助金)が受けやすくなるほか、環境省による駆除も行われる。愛知県の担当者は「生態系にとって危険な存在。名古屋港管理組合とも連携して、市街地への侵入を防ぐ」と話している。(池田寛樹)

          ◇

【ブラウジングアント】  働きアリの体長は2.5~4ミリ。触角や脚が長いのが特徴で、ヒアリのような毒針はない。オーストラリアのほか、マレーシア、インド、グアム島などで見つかっている。

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