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【いのちの値段】対話のカタチ(1)激痛の原因求め さまよう

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【いのちの値段】対話のカタチ(1)激痛の原因求め さまよう

自宅の居間で、自分の痛みについて記録する横山さん。見守る娘(左)も良き話し相手だ=園田寛志郎撮影

 教えてほしい。この身を切り刻む激痛の原因を。癒やしてほしい。人生をめちゃくちゃにするこの苦しみを。千葉県我孫子市の主婦、横山玲子さん(59)は、2012年冬以来、11の医療機関を転々とした。

 横山さんは、公務員の夫(59)や看護師の娘(26)と3人家族。同じ敷地内にある別の一軒家に、両親やめいらがいた。大家族ゆえの難しさがあった。玲子さんはみんなの話を聞き、全体のバランスをとっていた。

 母が重い脳 梗塞こうそく を患った。体が衰え、母に依存していた父が亡くなった。症状が激化したのはその頃だ。左足のピリピリした痛みが尻や足裏、太ももに広がり、皮膚がやけどでただれるような激痛になった。

 いくら検査を重ねても、原因が分からない。自己免疫疾患のシェーグレン症候群とする診断もあるが、確定はしない。

 14年冬、こうした病気の専門クリニックを訪ね、ステロイドを処方された。朝、服用すると楽になるが、夜はリバウンドで激痛や 動悸どうき に襲われる。夜中、眠れずに居間を歩き回った。翌朝電話をしても、医師につないでもらえなかった。

 たまらず入院した公立病院では、ステロイドを中止した。痛みが始まる。元のクリニックを再び頼ると、ステロイドが増量された。「いつまで続けるんですか」「痛みがなくなるまで」。絶望し、自分で自分の首に手をかけた。死にたい、死にたい。

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