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貧困家庭支援「子ども食堂」が資金難、食中毒や事故も課題に

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貧困家庭支援「子ども食堂」が資金難、食中毒や事故も課題に

「まいにち子ども食堂高島平」で昼食を食べる子どもたち。奥は代表の六郷さん(5日、東京都板橋区で)=園田寛志郎撮影

 子どもたちに無料か低額で食事を提供している「子ども食堂」。全国に2000か所以上あり、貧困家庭に限らず、地域の子どもたちの重要な居場所になっている。ただ、多くの食堂は資金難に直面しているほか、子どもたちを食中毒や事故からどう守るのかといった課題も抱えている。

運営費、ネットで募るが「1年続けられるか…」

 今月8日昼。東京都板橋区の子ども食堂「まいにち子ども食堂高島平」には小中学生10人ほどが集まり、タケノコご飯や天ぷらをほおばっていた。小学生の女児(11)は「友達の家に遊びに来ている感覚。いろんな友達に会えるし、ご飯もおいしい」と言い、母親(33)は「学校以外で友達と一緒に食事ができるのが楽しいみたい。家も近いので安心です」と話した。

 この食堂は今年3月にオープンし、土日も含めて週7日、朝、昼、夕食を提供。子どもは無料で、大人も100~300円で食事ができる。小学生の男児(9)が通っているパート勤務の母親(45)は「共働きなので土日の育児の骨休めにもなる。子どもの面倒を見てくれて助かる」と笑顔で話した。

 ただ、運営費はインターネット上での募金でまかなっており、資金繰りは厳しい。代表の六郷伸司さん(53)は「どんな家庭の子どもでも気軽に来られる場所でありたいが、このままだとあと1年続けられるかわからない」と明かした。

全国で2286か所

 子ども食堂は2012年に東京都大田区で始まったとされ、貧困家庭の支援や子どもの見守りの場となっている。食堂の運営者らで作る「こども食堂安心・安全向上委員会」(代表・湯浅誠法政大教授)の今年1~3月の調査では全国で2286か所に上る。

 北海道旭川市の寺では、2か月に1回程度、旭川大短期大学部の学生たちが中心になって「おてらde食堂」を開いている。

 16年の開設当時、食後に小学生の女児が高さ約1メートルほどの場所から落下し、腕を骨折。当時は、傷害保険に入っておらず、事故後に加入した。ただ食中毒は対象外で、傷害保険は年間約1万円で加入できるが、食中毒をカバーするものは7万円以上になるという。ただ、同大の近藤亜弥助教は「食中毒予防にはかなり神経質になっている」と話し、食中毒にも適用される保険への加入を予定している。

行政の支援、不可欠

 東京都は今年度から、市区町村を通じ、子ども食堂に年間24万円を上限に補助を実施している。食堂が区市町村の設置する連絡会に参加して情報共有をすることが要件で、都の担当者は「児童相談所など関係機関の支援が必要なケースもあるかもしれない。食堂と自治体が顔の見える関係を築くことが必要だ」と話す。

 日本福祉大の中村強士准教授(社会福祉学)は、「多くの子ども食堂は資金難に直面しており、食材購入や保険の加入など自由に使える補助金などの支援が欠かせない。自治体職員やケースワーカーが巡回し、生活保護や就学援助制度などの支援につなぐ取り組みも重要だ」と指摘している。

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