医療ルネサンス
読売新聞の人気連載「医療ルネサンス」の記事を読むことができます。
医療ルネサンス
目の治療のいま(2)生活に合わせ 眼内レンズ
東京都江東区の会社員、岡部昇さん(68)は3年ほど前から遠くのゴルフボールがにじんで見えるようになった。それ以前から老眼で手元のものがぼやけて見えにくくなっていた。詳しく目を診てもらおうと、東京歯科大学水道橋病院(東京都千代田区)の眼科を受診。「白内障です」と眼科教授のビッセン宮島弘子さんに告げられた。
白内障は、目のレンズにあたる水晶体が酸化するなどして濁り、見えにくくなる。60歳代で70%、80歳代で100%がかかるといわれる。
治療は、手術で水晶体を取り出し、水晶体を包んでいた袋に人工の眼内レンズを入れる。手術で見え方がよくなると交通事故のリスクが半減し、認知症のある人では60%で症状が改善したというデータがある。
眼内レンズには、一定の距離のみにピントが合う単焦点レンズと、近くも遠くも対応可能な多焦点レンズがある。
ビッセンさんの説明を聞き、岡部さんは多焦点レンズを選んだ。これまでスマートフォンで近距離の地図を見るのに老眼鏡を着けるのが煩わしかった。一方、趣味のゴルフでボールを目で追うには遠くを見る必要がある。「眼鏡が要らなくなるなら、とても助かると思った」と岡部さん。
この記事は読者会員限定です。
読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
【関連記事】