文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

健康ニュース

ニュース・解説

災害時避難所・学校トイレの対応急げ…体育館に「多目的」3割、洋式化も遅れ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
災害時避難所・学校トイレの対応急げ…体育館に「多目的」3割、洋式化も遅れ
id=20180413-027-OYTEI50010,rev=2,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

体育館内に3月に新設された多目的トイレ(鳥取県立倉吉農業高校で)

 災害時に避難所となる学校のトイレの「バリアフリー」化が遅れている。文部科学省によると、多目的トイレが体育館にある学校は約3割にとどまる。2016年4月の熊本地震でも高齢者や障害者が苦労したことを教訓に、文科省は今月、具体的な取り組みの事例集をまとめて全国の自治体に通知した。

 災害時に避難所となる施設については、内閣府が市町村向けの指針でバリアフリー化を求めている。学校のトイレでは、多目的・洋式の整備や、出入り口の段差解消などが求められる。

 しかし、文科省の17年の調査では、避難所となる公立小中学・高校などで、体育館に多目的トイレがあるのは34%。都道府県別では、京都(61%)、兵庫(54%)は高いが、大阪(33%)は平均を下回る。

 洋式化すら遅れており、公立小中学校のトイレの57%は和式という調査結果(16年)もある。

 熊本地震では、車いすを使う被災者がいくつもの学校を回って多目的トイレを探したが見つからず、最後は諦めて親類宅に身を寄せた事例もあった。

 バリアフリー化が進まない背景には、改修にかかる費用負担などがあるとみられ、校舎の耐震改修を優先する自治体も多い。

 こうした中、鳥取県は、避難所に指定される県立校15校で多目的トイレなどの設置を進めてきたが、17年度予算で約5000万円を計上し、残っていた3校の工事を一気に終えた。県教委は「熊本地震を教訓にした」とする。県立倉吉農業高校(倉吉市)では体育館の更衣室の一角をつぶし、3月に多目的トイレが完成。近くに住む女性(68)は「この辺りは高齢者が多い。いざという時も安心できる」と話した。

 徳島県は昨年3月、「災害時快適トイレ計画」を策定し、20年度末までに県立校32校の体育館のトイレを洋式化することを決めた。県は「災害時のトイレ問題は、被災者の生命や健康を守るため最優先で解決すべき事項」とする。東京都も都内の公立小中学校約1900校のトイレで、洋式の割合を20年度までに80%以上(16年4月時点で54%)に引き上げる。

 NPO法人「日本トイレ研究所」の加藤篤・代表理事は「避難所でトイレが使えないと、水分摂取を控え、脱水症状やエコノミークラス症候群につながる。誰でも使えるトイレがあることは必須で、早急に整備を急ぐべきだ」と話す。

          ◇

多目的トイレ 】 障害者や高齢者、子ども連れなど多様な人が利用しやすいよう工夫したトイレ。通常より広い空間や手すりを備え、おむつの交換台や、人工肛門をつけた人のための洗浄器があるものもある。「多機能トイレ」「みんなのトイレ」などとも呼ばれる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

健康ニュースの一覧を見る

最新記事