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2018年本屋大賞を受賞した辻村深月さん

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  つじむらづき さん 38

2018年本屋大賞を受賞した

撮影・守谷遼平

 「ずっと本に救われてきた」。例えば中学時代。閉ざされた教室は息苦しく、自分の正しさを押しつける大人たちには心を許せずにいた。でも本を開けば、心は別世界に遊び、書店に行けば、大人なのに自分と同じように本の魅力を語る書店員がいた。今も書店は「憧れの場所」。受賞は特段、感慨深い。

 「この本を必要とする人がたくさんいて、届けたいと思って選んでいただけたのなら、本当にうれしい」

 得意とするのは、若者の繊細な心情の描写だ。受賞作「かがみの孤城」では、不登校の中学生7人が、自室と鏡でつながった不思議な城で出会い、心をつないでいくさまを描く。以前とは少し異なり、大人を信頼できる存在として登場させたのは、自身が2児の母となったからでもあるのだろう。ただ、「大人を信用できずにいた中学生の私に 軽蔑けいべつ されるものにはしない」ため、そして長年の読者にも納得してもらえるよう、驚きの仕掛けも用意した。

 執筆のために取材した学校カウンセラーの言葉が胸に残る。「風のようでありたい」。感謝はいらない。風のように背中を押してくれた存在があったと子供たちに覚えていてもらえれば。「私の本もそうなるといいな」(文化部 村田雅幸)

 

 山梨県生まれ。2004年デビュー。最新刊は「青空と逃げる」(中央公論新社)。

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