解説
もっと知りたい認知症
書くことが、明日につながる
こんにちは、慶成会老年学研究所の宮本典子です。
高齢者は、超高齢社会のいちばん先をいく人たちです。共に生きやすい社会をつくることは、次の世代の未来をつくることになると思いませんか?
書いて、生きる力を作り出す
認知症予防を目的にした活動が地域やクリニック等で開催され、人を集めていると聞きます。残念ながら、今のところ認知症に確実な予防法はありません。ただ、こうすれば認知症になりにくいというものは、様々な研究結果から少しずつわかってきています。
そのひとつが脳を働かせること。
思い出す、考える、調べる、整理する、まとめる、書く、読む――。脳を働かせる方法は、いろいろあります。私が注目しているのは、「書く」という行為です。
何かを書くために、脳は様々な機能を総動員します。トレーニングには最適ですね。でも、それ以上に、私たちが生きていく上で、大変な力をもたらすと思っています。
「老い」に向き合いながら抱える、日々の小さな不安。それを書きだすことで、そこから距離をとれるようになります。
自分の体験を書いたり、他人の書いた内容をお互いに共有したりすれば、自分一人ではない、という安心感も生まれます。
「不安」がすぐに消えるわけではありませんが、少し「大丈夫」と思えるようになります。
書くことで、小さな気づきもたくさん生まれます。それが、人生の新しい発見につながり、創造性を生み出します。
書いている内容が過去を振り返っているものであっても、書き記すことで、過去だけではなく、これから先の人生に目が向けられます。
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