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いちばん未来のシニアのきもち

医療・健康・介護のコラム

書くことが、明日につながる

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 こんにちは、慶成会老年学研究所の宮本典子です。

 高齢者は、超高齢社会のいちばん先をいく人たちです。共に生きやすい社会をつくることは、次の世代の未来をつくることになると思いませんか?

書いて、生きる力を作り出す

書くことが、明日につながる

 認知症予防を目的にした活動が地域やクリニック等で開催され、人を集めていると聞きます。残念ながら、今のところ認知症に確実な予防法はありません。ただ、こうすれば認知症になりにくいというものは、様々な研究結果から少しずつわかってきています。

 そのひとつが脳を働かせること。

 思い出す、考える、調べる、整理する、まとめる、書く、読む――。脳を働かせる方法は、いろいろあります。私が注目しているのは、「書く」という行為です。

 何かを書くために、脳は様々な機能を総動員します。トレーニングには最適ですね。でも、それ以上に、私たちが生きていく上で、大変な力をもたらすと思っています。

 「老い」に向き合いながら抱える、日々の小さな不安。それを書きだすことで、そこから距離をとれるようになります。

 自分の体験を書いたり、他人の書いた内容をお互いに共有したりすれば、自分一人ではない、という安心感も生まれます。

 「不安」がすぐに消えるわけではありませんが、少し「大丈夫」と思えるようになります。

 書くことで、小さな気づきもたくさん生まれます。それが、人生の新しい発見につながり、創造性を生み出します。

 書いている内容が過去を振り返っているものであっても、書き記すことで、過去だけではなく、これから先の人生に目が向けられます。

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宮本典子(みやもと のりこ)

 慶成会老年学研究所主任研究員。 臨床心理士。

 聖心女子大学文学部歴史社会学科人間関係(現人間関係学科)卒業。

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 主に認知症高齢者、高齢期のうつ病の心理療法及び介護家族の心のケアにかかわる。自宅で暮らす高齢者や認知症の人を対象に、情緒の安定や認知機能の低下予防をめざす心理療法プログラム「ユリの木会」を運営している。共著に「認知症と診断されたあなたへ」(医学書院)、編著に「いちばん未来のアイデアブック」(木楽舎)がある。

慶成会老年学研究所

 高齢社会に関する心理学的、医学的臨床、研究、及び教育・研修を行う研究所として、1988年に設立。現在、心理学の専門家によって、高齢者と家族を対象にしたカウンセリング、専門職や一般企業への教育・研修と、高齢者と高齢社会に関する学際的な研究を行っている。

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