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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

就職してすぐ産休は非常識か? 働く女性は妊娠を遠慮しないで!

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就職してすぐ産休は非常識か? 働く女性は妊娠を遠慮しないで!

公園でも「きかんしゃトーマス」の本に夢中な息子です

 春休みに入り、子供たちが順番に体調を崩し、最後に私が発熱、 嘔吐(おうと) 、下痢に襲われました。ほとんどご飯を食べられない日が続いて、体が痩せてフラフラしていました。年齢や過労のせいかと思っていましたが、どうも息子も私もロタウイルス感染だったようです。原因がわかってホッとしました。今は食欲旺盛です。

議員発言に「マタハラ」指摘 雇う側は「可能性」認識を

 自民党の白須賀貴樹衆院議員が、働き方改革関連法案を議論する党の合同会議で、自身が運営する保育園で雇用した看護師が「雇って1か月後には実は妊娠して産休に入ると(言ってきた)。人手不足で募集したのに、それは違うだろうと言った」と発言し、「マタハラではないか」と議論を呼んでいます。

 妊娠・出産は個人的なことなので、上司や雇用者が制限・意見すべきではないという考え方もある一方、新しく採用されてすぐの妊娠は常識的に考えられないとの意見もネット上では多く見られます。

 同議員の保育園の事例については、詳細が分からないので何とも言えません。人手不足を埋めるつもりで採用していたとしても、管理者としては生殖年齢にある女性に妊娠する可能性があることは考えておかないといけないと思います。独身、既婚にかかわらずあり得ますし、本人が予期していなくても妊娠することなど、いくらでもあります。

妊娠する人が「非常識」と見なされないように

 しかし、採用の段階で妊娠していたことを隠していた、ということなら、それはマナー違反だと思います。

 私は半年前、東京・丸の内にクリニックを開院し、とても小規模ですが経営者になりました。スタッフの一人が、採用が決まって入職する前に妊娠し、来月、産休に入ります。産休に入るまで健康な状態で勤務してもらえるのか、保育園に入れずに復職できなかったらどうしよう、などの不安もあるため、雇用側の心情も分からなくはありません。

 しかし、だからといって、労働者に対し、「パワーを持つ立場」をふりかざせば、「パワハラ」「マタハラ」になってしまいます。

 おそらく日本全国で、職場に遠慮して妊娠を控えているという人が多くいることでしょう。研修中だから、転職したばかりだから、責任ある立場だから、他の人が妊娠しているから、という理由で妊娠を控えていたら、なかなか妊娠に適したタイミングはやってきません。そして、多くの場合、妊娠はピンポイントにできるようなものではありません。そうこうしているうちに年齢を重ねてしまい、「ぼんやりしているから、知識が乏しいから、高齢出産になるのだ」と自己責任を負わされかねません。

 それに、皆が遠慮して妊娠を控えていると、妊娠する人が「非常識」という扱いになってしまいかねません。日本の未来のためにも、「どんどん暗黙の縛りを破っていこうよ」と思います。

 そんなことを言いながら、私自身は自分のクリニックの人材確保に頭を悩ませています。小規模でも経営とは社会的責任を負うものだなあ、と実感しています。これからもスタッフを含めた働く女性の健康と妊娠出産に貢献できるよう頑張りたいと思います。(宋美玄 産婦人科医)

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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7件 のコメント

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前提条件とゴールからの議論の必要性

寺田次郎 関西医大放射線科不名誉享受

日本医学放射線学会に行きました。 働き方改革と診療報酬、地方医療の医局の課題に関するセッションに時間を多く割きました。 画像診断や遠隔診断と同じ...

日本医学放射線学会に行きました。
働き方改革と診療報酬、地方医療の医局の課題に関するセッションに時間を多く割きました。

画像診断や遠隔診断と同じ言葉で言っても、様々な形があります。
そして、病院勤務か在宅かの2択で判断が縛られているのが現状ですし、住宅地や駅近の基地局や他科医も加わった読影チームの想定はありません。
医局と人事権を守るための措置でしょう。(急な変化も良くないですが)
情報技術に一番近い放射線科の画像診断ですが、見えない壁もまだまだたくさんあります。
ですが、ハードワーク医と家庭も大事にする医者の双方が納得できる環境が必要です。
(他の方のフロアコメントですが、双方が幸せになれる機会平等の結果不平等の条件を考えないといけない。)

病院に長時間勤務する先生の待遇や出世を高めるのは悪い事ではありませんが、そうでない医師を迫害するのは間違いです。
出産育児もまるきり同じで仕事優先やそういう能力のない女性への配慮は大事ですが、出世よりも家庭を大事にする男女の医師を取り込んだ方が長期的にはチーム力が上がるのが理解できないと良くないですね。

就職してすぐ産休は非常識と僕も思いますが、就職して1-2年程度で産休しても仕事に差し支えないシステムの構築にはまだまだ時間がかかりそうなのも問題です。
都心部の高齢化も著しいようですが、想定よりはましな未来にするためには働き方というか生き方のための情勢を整える必要があります。
そうしないと労働者だけでなく、顧客や患者の悲劇となって現れます。

宋先生の意見もかなり偏りを感じますが、責任とか何とか言い出したら誰も何も口にできませんし、既得権益とのバランスのためにはそちらのほうが良いでしょう。
長生きする保守派は革新を取り入れる保守派だと気付いてもらうためにも。
300年続いた鎖国の江戸時代も海外への窓は多少開かれていました。

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休む理由は問題にしなくなりました

会社によって対処はそれぞれ

この問題は、会社を休むという現象にして休む理由はどうでもいいと従業員には言っています。妊娠だろうが、骨折だろうが、親族や知人の急な病気への対応で...

この問題は、会社を休むという現象にして休む理由はどうでもいいと従業員には言っています。妊娠だろうが、骨折だろうが、親族や知人の急な病気への対応で付き添いとか、みな休むという同じこと。そのときに会社にどのくらいプラスのポイントをくれたかが休みの長さを決める基準になります。ほとんどポイントがなければポイントを借りるだけだから、あとで返せばいいわけです。会社からみたら休んでいるという事実しかないので、従業員へ仕事の配分を変更したり、仕事自体をほかの仲間の会社でカバーして貰ったりでどうにかしています。海外からの年間契約の仕事で納期が遅れれば数億の弁償だから最初から従業員は突発的に休むという危機管理でもないですけどそういう現象が起こるということを盛り込んで、そういう時はどうするということまで考えて契約内容に盛り込んでいます。地震災害のときは出社率ゼロとかもありますので、そういう時のカバーはどうするなどは今の時代必須の項目です。ロサンゼルス地震のときはカバーの仕事がきました。3.11のときはカバーしてもらいました。妊娠よりガンになったというほうが対処が難しいです。ワクチンで事前に対処できるのなら従業員にそれを考えてもらいます。なんせ人間ですから自然界からみたらもろい存在です。よく従業員のなかにはあの人は仕事が遅いとかいう人もいますけど、交通事故にまきこまれて入院したら出来ると言っている人の仕事は出来ないって言っている人へカバーの依頼をするんだよというとほとんどの人は納得してくれます。出来ると言っている人は休みも無視して働くこともあるのでいつしか事故にあったり病気になったりワクチン忘れたりしているので仕事量をセーブしたりもしているのが現状です。会社によって人への対処はそれぞれなのであっちの会社がそうだからとすぐに真似することはないですけど。

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ふざけんな!

天龍 三郎

この発想は妊娠女性のことしか考えていない。雇用側、クライアント(保育園なら父兄、会社なら顧客)の利益は全く無視か?先生が変わること、担当者が変わ...

この発想は妊娠女性のことしか考えていない。雇用側、クライアント(保育園なら父兄、会社なら顧客)の利益は全く無視か?先生が変わること、担当者が変わることの不利益は関係ないってか?情報の共有?人そてぞれのスキルは違うのに耳障りの良い言葉でごまかすな!
「○○ハラ」なんぞ受け手中心の言いがかりを認める悪法以外何物でもない。不快ならハラスメントなら、企業は「雇用者ハラスメント」を受けているだろ!マスメディアを利用した「パワハラ」以外何物でもない。
別に妊娠女性を卑下するのではなく、敬意をもって「働かないでくれ!」だ。
男性に子供は産めないのだから。

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