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胃がんで死なないためにできること

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ピロリ菌は呼気、血液、尿、便で調べる

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粘膜下層に進んだがん

 ピロリ菌は呼気や血液、尿、便から調べられる。人間ドックや健診にオプションで盛り込まれていることも多く、郵便による検査もある。健康保険で検査を受ける場合は、まず内視鏡で胃がんや胃炎をチェックしてからピロリ菌を検査する手続きになっている。ピロリ菌の除菌は、通常、胃酸を抑制する薬と2種類の抗菌薬を1週間服用する。成功率は9割前後で、一回で除菌できなければ再度別の抗菌薬で行う。

 「ピロリ菌の検査は飲んでいる薬や免疫の状態に結果が影響される場合もあります。除菌を繰り返しても血液検査で陽性が続き、呼気で検査をし直すと陰性になる――というように、検査法で違いが出ることもあるので、ピロリ菌の除菌治療は消化器に詳しい医師に相談すると安心です」と後藤田さんは言う。

早期で見つかれば内視鏡で治療

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ワイヤで焼ききる

 胃がんのほとんどは、胃の内側表面の粘膜に発生して胃壁の内部へと進み、血管やリンパ管を通って他の臓器に転移する。胃壁は粘膜層、粘膜下層、筋層、漿(しょう)膜という4層になっている。ほぼ粘膜層にとどまり胃を取り巻くリンパ節への転移の可能性が低い状態を「早期がん」、もっと深く進んでリンパ節などへの転移が想定されるものを「進行がん」と呼んで区別している。

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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

 幅1センチ程度の早期がんであれば、図のように口から入れた器具でワイヤをかけて病巣を焼ききる。2センチよりも大きければ電気メスで病巣をそぎ取るESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)が望ましい。いずれも内視鏡で行う治療だ。

 がんは進行段階によって1期から4期に分けられている。5年間、再発なしに無事に過ごせば、治ったと考えられ、5年生存が治癒の目安とされている。1期の早期がんは内視鏡の治療でほとんど治る。胃痛や胃部の不快、胸焼けで心配する人は多いかもしれない。しかし、胃がんには、早期がん特有の症状がない。

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