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胃がんで死なないためにできること

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 肺がん、大腸がんに次いで死亡者数が3番目に多いのが胃がんだ。年間4万5000人。男性が女性の2倍なのも特徴だ。なぜ胃がんで死ぬのかというと、がんが胃の周囲、血管やリンパ管を通って肝臓や肺など、命にかかわる臓器に広がってしまうからだ。

胃がんで死なないためにできること

 しかし、胃がなくても人は生きていける。全摘手術を受けても食事をして、元気に暮らしている人があなたの周りにもいるかもしれない。だから、胃がんで死なないように、がんが広がる前に治療したいし、やっておきたいことがある。

 胃がんの内視鏡治療が専門の日本大学病院消化器病センター長の後藤田卓志さんに胃がん診療の最近の事情を聞いた。

まずピロリ菌感染の有無を検査

 胃がんは日本では最も患者数の多いがんだったが、少しずつ減少し、この傾向は続いていく。発生原因がはっきりしているからだ。

 「日本人の胃がんの99%は胃のピロリ菌感染が原因です。ピロリ菌が胃炎を引き起こして胃の粘膜を荒らし、そこからがんが発生します。塩分の多い食事も胃がんの危険を増やします」と後藤田さんは説明する。

 胃の粘膜にすみ着くピロリ菌は、5歳ぐらいまでの幼児期に井戸水や家族から感染するという。そのため、日本では年齢が高いほど感染者が多く、70歳以上の感染率は80%にのぼる。若い世代ほど感染率は下がり、45歳前後の団塊ジュニアになると半数ぐらい、中学生では5%と、激減する。大人になってからは感染しにくい。

 「胃がんで死なないために、自分にピロリ菌がいるかどうか確かめてください。感染していれば、除菌治療を受けることが推奨されています。ただ、除菌をしても、長年ピロリ菌がいたために胃が荒れていると、胃がんの危険は残ります。1、2年に一度は胃カメラで検査を受けて下さい。もともとピロリ菌がいなければ定期的な胃がん検診は不要です」

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粘膜のがん

 ピロリ菌に感染すると100%胃炎になり、10年以上経過すると胃酸を出す細胞が萎縮する萎縮性胃炎に移行し、ここから胃がんが発生する。萎縮性胃炎から胃がんになる頻度は0.2~0.5%と報告されている。

 ただ、胃がんの中には胃壁の内部で広がっていくスキルス性胃がんというタイプがある。胃粘膜の表面の異常が明瞭に表れず、胃カメラでも見落とす場合があり、進行してからわかることが多い。遺伝も関係している。頻度は少ないが、若い女性がかかることもある。

 「近親者にスキルス性胃がんの患者がいる場合は、 日本消化器内視鏡学会専門医 など多くの胃がん患者を診療している医師による検査が望ましいですね」

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