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【子どもを守る】育む心(4)思春期に健康な親離れ

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【子どもを守る】育む心(4)思春期に健康な親離れ

長女の拒食症や暴言について、熱心にメモをとる母親にアドバイスする関谷さん(東京都渋谷区の初台クリニックで)

 「お前なんか親じゃない」

 高校生の長女が毎日のように、東京都内の自宅で母親(44)に暴言を浴びせる。母親はそれに耐えながら、長女の言うことを聞いてやる構図ができていた。

 初台クリニック(東京都渋谷区)の診察室。母親は精神科医の関谷秀子さんに、遠慮がちに口を開いた。「長女にアイスを買ってきてと言われたので、今回は自分で行くように言ったら、また荒れてしまって」

 長女は小学校高学年の時、男子から「太っている」と言われたのをきっかけに、心理的な要因から体重の増加を恐れて食事をとらなくなる拒食症になった。別のクリニックで短時間の診察を数回受け、関谷さんが当時勤務していた病院に紹介された。紹介状には、生まれつきの脳機能障害である「発達障害」とあった。

 関谷さんによって発達障害は否定されたが、拒食症には今も悩む。中学では友人関係がうまくいかず不登校になった。家にずっといる長女は次第に母親にわがままを繰り返し、母は応じることで娘を救い出せるのではと誤解。2人の密着した関係ができあがった。

 自分でアイスを買いに行くように言った母親の対応を、関谷さんは「それでいい。親離れを進めるためにも良い対応です」と認めた。

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