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介護用語 外国人に易しく

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「難解で挫折」防ぐ教え方を

介護用語 外国人に易しく

介護現場で使われる用語の教え方を学ぶ受講生たち(都内で)

 介護現場で使われる難解な日本語を、外国人にどう教えるか。こんな課題を打開しようと、介護職員や日本語教師が、外国人に日本語を教えるのに必要な知識や指導方法を学ぶ取り組みが始まっている。

  ■職員・教師向け講座

 「うがいは一般的な表現ですが、職員同士では、 含嗽がんそう という用語を使うこともあります。利用者の状態や施設によっては、『がらがらぺー』などといってお年寄りに声かけをすることもあります」

 「資格の大原 東京水道橋校」(東京)で、2月下旬に行われた「介護の日本語教師」の養成講座。介護職員や、社会福祉法人の運営する日本語学校の教師ら約20人は、講師の話に耳を傾けていた。

 この講座は、介護現場でよく使われる言葉を外国人に教えるために必要な知識や指導法を、計36時間の授業(計12回)で学ぶ講座。

 都内の専門学校で、介護福祉士を目指すフィリピン人やベトナム人の生徒約30人に教えている女性(62)は、「平仮名をようやく読める水準の生徒たちに、専門用語をどう学んでもらおうか。いつも頭を悩ませている」と話す。

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  ■高まるニーズ

 こうした講座はまだ少ないが、ニーズは今後高まるとみられる。2025年に38万人の担い手が不足すると見込まれている介護現場では、外国人を受け入れる動きが強まっているからだ。

 日本と外国の経済連携協定(EPA)に基づく受け入れがあったが、17年9月からは、日本の専門学校などの養成校を卒業して介護福祉士の資格を得た留学生も可能になった。同年11月には、建設や農業などに限られていた技能実習生も介護分野で働けるようになった。年内に来日する見込みだ。

 ただ、せっかく来日しても、一通り言葉を理解できないと、日本人職員との意思疎通が難しくなり、清掃など利用者とかかわりのない仕事ばかりを任される恐れもある。

 同講座で教える三橋麻子さんは、「同じ意味でも、利用者や家族には平易に、職員同士では専門的に言い換えられがち。意欲の高い人たちが難解な日本語の壁で挫折してしまうのはもったいない」と、外国人への丁寧な指導の必要性を強調する。

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  ■現場の意識改革も

 一方、難解な言葉を使う現場職員の意識を変えていく必要もありそうだ。

 介護現場で専門用語や短縮語がよく使われるのは、職員同士の意思疎通を簡単に図る意味もあるが、介護職のほか、看護師や理学療法士など様々な職種の人が働いていることも大きい。

 「専門用語で、話したり、引き継ぎ記録を書いたりしてこそ、一人前という意識もあるのでは」。「やさしく言いかえよう 介護のことば」(三省堂)の編著者でもある専修大文学部の 三枝さえぐさ 令子特任教授は指摘する。

 三枝さんは、「平易な言葉を使うことは、利用者のためにもなる。外国人を担い手として考えるのであれば、施設の経営者を含め、受け入れ側も意識を変える必要がある」と話している。

教材や関連書籍も続々と

 介護現場で働く外国人のため、教材の開発や書籍の刊行も相次いでいる。

 公益社団法人「日本介護福祉士会」は昨年11月、技能実習生向けの教材「介護の日本語」をホームページに掲載した。歩行器などの福祉用具や、調味料などの食事に関する言葉など計267語をイラスト付きで収録したほか、入浴や体調確認などの場面を会話形式で紹介している。

 ミネルヴァ書房から今年2月に出版された「5か国語でわかる介護用語集」は、現場で使われる基本的な日本語約1500語を、英語、中国語、ベトナム語、インドネシア語に翻訳した一冊。日本人と外国人が現場でコミュニケーションを取るのに役立ちそうだ。中央法規出版も昨秋、介護の知識や業務を学びたい外国人向けに計4冊を出した。

 (板垣茂良)

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