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医療大全

家族性大腸腺腫症

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【平成時代】命の質(5)遺伝性の病気 実名で語る

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【平成時代】命の質(5)遺伝性の病気 実名で語る

アルバムや資料を見ながら、患者会の20年の歩みを振り返る土井さん(大阪府泉大津市の自宅で)

 昨年秋、遺伝性の病気の患者会8団体が集い、「ゲノム医療当事者団体連合会」が発足した。原因遺伝子の研究や治療法の開発を期待しつつ、偏見や差別をなくしていくのが目的だ。

 「同じ思いを共有できる人と仲間になれ、自分が続けてきたことは間違っていなかったと思えた」

 連合会の副理事で「家族性大腸ポリポーシス(FAP)」の患者会をつくって20年になる、大阪府泉大津市の土井悟さん(68)は、自身が歩んできた道をしみじみと振り返った。

 FAPは大腸に100個以上のポリープができ、放置すると高い確率でがんになる。親から50%の確率で遺伝子変異を受け継ぐ。

 土井さんは43歳の時に発病。直腸2センチを残し大腸は全摘した。半年後に職場復帰したが、脱水症状などの後遺症に悩まされた。見た目には分かりづらい病気のため、周囲の理解を得るのは簡単ではない。海外に患者の会があることを知り、自分も仲間を作ろうと決心した。

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