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“やる気物質”増やすカギは?…適度な睡眠、運動、社会との関わり コンディショニング研究会 堀江重郎・順天堂大教授コラム(下)

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 やる気を高めたり、世の中でうまく立ち回ったりする際に働く体内物質として、男性ホルモン「テストステロン」を挙げるのは、「コンディショニング研究会」(読売新聞社など協賛)の堀江重郎・順天堂大学教授です。では、どうすれば、テストステロンが増えるのでしょうか?

外的要因によって分泌量が上下

 テストステロンの分泌量は加齢に伴い低下し、また個人差も大きいものです。一日の中でも数時間のうちに分泌量が変化します。めげる、がっかりする、といった精神的ストレスでも下がりますし、激しい運動のあとも下がります。

 このように、加齢以外の外的要因に左右されやすいテストステロンの分泌量(テストステロン値)を高くして、よりよいコンディションの維持につなげるために、日ごろの生活で気をつけたいポイントは三つ。睡眠、運動、社会との関わりです。

重大な決断はテストステロン値が高い朝に!

 テストステロンは睡眠中に分泌量が増えますから、よく眠るのが大切です。睡眠不足だとテストステロン値が低くなることは、実験の結果、確かめられています(※1)。ですから重大な決断を行うのは、よく眠れた翌朝、一日の中でテストステロン値が高い状態にあるときがおすすめです。テストステロン値が下がる夕方から夜に、難しいタスクに取り組んでもパフォーマンスが上がらず、疲れを助長し、寝つきも悪くしますから控えましょう。

 次に運動。適度な運動はテストステロン値を高くします(グラフ参照)。ウォーキングやジョギングのような有酸素運動でも筋トレでも構いません。前述の通り、激しい運動を続けると、かえってテストステロン値を減らしてしまうので無理のないように。テストステロン値が下がっているときに運動しすぎると、ケガをしやすくなります。

 社会環境への貢献がテストステロン値を上げる

 そして三つめの社会との関わりについて。前編で紹介したように、テストステロンは男性ホルモンであると同時に社会性ホルモンでもあります。自分が認めてもらえて自信が持てる「芝生」を確保しましょう。趣味のサークルでも、家庭でも、いきつけのお店でもいいんです。心地よい居場所を得て、自分の目標に向かって頑張っていく。その結果、出た疲れは仲間と楽しく食事をするなどして癒やす。これがテストストテロン値を上げる生活です。

 もう一つ心がけておきたいのが社会環境への貢献、「他人に与える」ということです。ボランティアでも感謝の気持ちでもお金でも構いません。社会環境への貢献がテストステロンを増やし、自分のまわりの環境をより良くしてモチベーションが高まります。ボランティア活動や恵まれない人への寄付といった弱者を助けようという気持ちと、テストステロン値には相関関係があるという研究報告が、英医学誌「Nature」にも掲載されています(※2)。

たった2分でテストステロン値が上がる?! 

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 いつでもどこでもすぐできる、ちょっとおもしろいテストステロン値を上げる方法を紹介します。それは胸を張ること。胸を張ったポーズを合計2分間続けるだけで、テストステロンが増え、ストレスホルモンのコルチゾールが減ったという試験報告があります(グラフ参照)。

 この試験の信ぴょう性については議論のあるところですが、背中を丸めて、うつむいていたらやる気も出ないでしょうし、に落ちる試験報告です。

 テストステロン値は簡単な血液検査で調べられますが、肥満の人はテストステロン値が低いということがわかっています(※3)。また高血糖、高血圧、脂質異常といったメタボの要因が増えるほど、テストステロン値は低いという関係も見られます(※4)。

 テストステロン値が低いからメタボになるのか、メタボになるとテストステロン値が下がるのかはわかりませんが、日々のコンディショニングのみならず、その先にある健康長寿にもテストステロンは深く関わっているのです。

※1 Clin Endocrinol (Oxf). 2012 Nov;77(5):749-54
※2 Nature. 2012 May 23;485(7399):E4-5
※3 Diabetes Care. 2010 Jun;33(6):1186-92
※4 Urology. 2013 Oct;82(4):814-9

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堀江 重郎(ほりえ・しげお)
コンディショニング研究会アンバサダー、順天堂大学医学部教授、医学博士。
東京大学医学部卒業。日米で医師免許を取得し、帝京大学医学部主任教授などを経て、2012年から現職。日本初の男性外来であるメンズヘルス外来を開設。アンチエイジングと男性医学、腎臓学の研究に力を入れる。日本メンズヘルス医学会理事長、日本抗加齢医学会理事長。著書に『ヤル気が出る!最強の男性医療』(文春新書)など。

 コンディショニング研究会のサイトは こちら

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