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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

医療・健康・介護のコラム

捜索中の警察官が素通り? 若くても認知症です!

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漫画・日野あかね

漫画・日野あかね

64歳以下は「若年性認知症」

 「認知症」とひとくちにいっても、「アルツハイマー型」や「レビー小体型」、「脳血管性」など、原因となる病気はさまざまで、それぞれ症状も異なります。実は、こうした病気の違いのほかに、発症する年齢によっても分けられていることをご存じでしょうか?

 認知症は、年を取るほどなりやすいのですが、64歳以下で発症した場合には「若年性認知症」といいます。65歳以上と比べると、圧倒的に少ないです。

 脳出血が原因で「脳血管性認知症」になってしまった父さんですが、53歳で発症したため、間違いなく「若年性認知症」でもありました。

 父さんの介護を語るうえで、やはり普通の認知症とは違うために、大変なことも多かった「若年性認知症」について触れないわけにはいきません。あくまで岡崎家の場合ではありますが、「若年性認知症介護あるある」を、今回は実体験をもとにお話ししようと思います。

働き盛りに発症…家族の生活も一変

 若年性認知症の人の多くは、社会において現役です。仕事で重要な役割を担っていたり、子どもがいれば子育て真っ最中という方が多いのではないでしょうか。

 岡崎家の場合、私が社会人1年目のときだったので、大黒柱の父が倒れても学費の苦労などはギリギリ免れました。が、もしこれが大学在学中だったとしたら――。きっと私は(私立だったし)大学を辞めざるを得なかったと思います。

 若年性認知症の親御さんを介護されているお子さんの中には、そういった事情で勉学を諦めざるを得なかった人もいるのです。そうなると、子どもの生活や将来も変わってしまいます。

経済的問題、乏しい公的支援

 父さんは細々ながらも、自営で仕事をしていました。そのため、自分たちの暮らしはもちろんですが、抱えていた従業員への対応など、さまざまな問題が一気に押し寄せました。いつも父さんの隣で一緒に仕事をしていた母さんが中心になりつつも、父の跡を継がずに就職した私も、岡崎家の事業のことを考えなければならなくなりました。

 もちろん、大黒柱が倒れたので、収入面もそれまでとは一変します。家族の中で、生計を主に支えてきた人が認知症になってしまうと、経済的な問題に直面せざるを得ません。でも現状では、そのあたりの公的サポートはほとんどありません。身体的なケアに限らず、こういったことも“介護”に含まれているのが、「若年性認知症介護あるある」だと私は思っています。

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認知症介護あるある~岡崎家の場合~

岡崎杏里(おかざき・あんり)
 ライター、エッセイスト
 1975年生まれ。23歳で始まった認知症の父親の介護と、卵巣がんを患った母親の看病の日々をつづったエッセー&コミック『笑う介護。』(漫画・松本ぷりっつ、成美堂出版)や『みんなの認知症』(同)などの著書がある。2011年に結婚、13年に長男を出産。介護と育児の「ダブルケア」の毎日を送りながら、雑誌などで介護に関する記事の執筆を行う。岡崎家で日夜、生まれる面白エピソードを紹介するブログ「続・『笑う介護。』」も人気。

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日野あかね(ひの・あかね)
 漫画家
 北海道在住。2005年にステージ4の悪性リンパ腫と宣告された夫が、治療を受けて生還するまでを描いたコミックエッセー『のほほん亭主、がんになる。』(ぶんか社)を12年に出版。16年には、自宅で介護していた認知症の義母をみとった。現在は、レディースコミック『ほんとうに泣ける話』『家庭サスペンス』などでグルメ漫画を連載。看護師の資格を持ち、執筆の傍ら、グループホームで介護スタッフとして勤務している。

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