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[垣谷美雨さん]社会への怒り、小説の源

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[垣谷美雨さん]社会への怒り、小説の源

 システムエンジニアとして働きながら、子ども2人を育てましたが、共働きの生活は忙しく、私のキャパシティーを超えていました。技術もどんどん新しくなるので、ついていくのが大変で、会社をやめて小説家に転身しました。

 小説を書くときには、社会に対する怒りみたいなものが原動力になっています。友人と話をしたり、テレビや新聞を見たりするなかで、ちょっとした一言が「これはひどい、なんとかしなきゃ」と心に突き刺さるんです。そうすると、ばーっと想像がふくらんでいく。「もし人生が70歳までと決まっていたら」「ためてきた老後資金が底をつきそうだったら」と。

 私自身は介護は経験していないですが、友人や親戚の話を聞くと、本当に大変そう。日本はいまだに封建的で、男尊女卑の意識が残っていると思います。小説を通して少しでも知ってもらえたらと思っています。

 自分の老後に向けては、片づけをしています。最近捨てたのは食器。義母が特別養護老人ホームに入るとき、一番処分が大変だったのが食器だったので。奥までぎっしり詰まった食器棚が三つあったんです。それで自分も、人生長くはないのだから、数は少なくていいから、お気に入りだけを使おうと思って整理を進めています。

 健康のためにスポーツジムにも通っています。難しいかもしれないけど、死ぬまで元気に仕事をして、たまに旅行を楽しんで、ころっと亡くなるのが理想ですね。(小沼聖実)

 ◇ かきや・みう  小説家。1959年、兵庫県出身。2005年に「竜巻ガール」でデビュー後、高齢化や介護、結婚をテーマとした作品を多く執筆してきた。23日、「老後の資金がありません」(中央公論新社)が文庫化予定。

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