医療大全
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増える腸の難病(3)がん発症 治療薬見直す
埼玉県川越市の
浴野さんがクローン病で最も苦しんだのは50歳代。腹痛や下痢で1日10回以上もトイレに駆け込んだ。腸の一部に穴が開き、
浴野さんの体の中には大腸の一部が残っている。いずれはストーマを外し、再び腸につなげる考えだったが、炎症が消えず難しくなった。長年の炎症で傷ついた粘膜は、がんになるリスクが高い。通院する同県所沢市の防衛医科大学病院で半年に1回、内視鏡の検査を受けて大腸の粘膜の状態を確認している。
同病院ではクローン病の患者に対し、小腸や腸管外の異常を調べるコンピューター断層撮影(CT)検査も行っている。腎臓がんは、この検査で見つかった。昨年8月、がんのある右側の腎臓を切除した浴野さんは「皮肉なことに、クローン病のおかげで早期発見できた」と苦笑する。
手術後、チオプリンをやめた。主治医で消化器内科の穂苅量太さんは「この薬は副作用で悪性リンパ腫などの発症の可能性を高める。若い人は問題が少ないが、高齢者はリスクが上がる。腎臓がんについても再発のリスクを上げる可能性は否定できないため、控えることにした」と説明する。
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