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箸はいつから? 焦らずに
箸の使い方が早く上手になってほしいと親は焦りがち。しかし、専門家は「慌てず、だんだんうまくなればいい」と助言する。箸で食べやすいメニューを工夫するのもおすすめだ。
東京都内の会社員女性(34)は、4月から幼稚園に通う次男(3)の箸の使い方が気がかりという。「2本を一緒に握る、いわゆる握り箸で、ハンバーグなどを突き刺して食べる。もっと厳しく教えたほうがいいのかなあ」と悩む。
0、1、2歳児のクラスがある東京家政大ナースリールーム(東京都板橋区)では、2歳児クラスになるとスプーン、フォーク、箸を用意し、好きなものを選んで使えるようにしている。個人差もあるが、箸を使い始める目安としては、スプーンを使うときに、親指、人さし指、中指の3本で鉛筆を持つような「ペングリップ」ができていることだという。
ナースリールーム主任保育士の井桁容子さんは「まずは箸に関心を持ち、慣れさせるのが大切」と話す。家庭では、親が一緒に食卓を囲んで、持ち方の見本=イラスト=を見せるようにしたい。
ものを挟むときは、下の箸は動かさず、人さし指と中指で上の箸だけを動かす。大きく広げてから、2本の先を合わせるように閉じる動きを繰り返すと練習になる。
使い始めは、こぼしてしまうこともあり、つい叱ったり、正しく持つよう繰り返し厳しく教えたりしがちだ。しかし、親が箸の使い方ばかり気にしていると、子どもは箸が嫌いになって食事が苦痛になってしまうこともある。
井桁さんは「通常、箸でうまく挟めるようになるのは小学生くらいから。焦りは禁物です」と指摘。そのうえで、「子どもは、上手に箸を使うことよりも、おいしく楽しく食事をとることの方が大切。厳しくしつけて、食べたいという意欲をそがないよう気を付けて」と話す。
子どもの手に合った長さの箸を選ぶことも重要だ。手首から中指の先までの長さより、3センチほど長いものがおすすめ。木製で、角が丸みを帯びた四角いもの、先端には滑り止めの溝が彫られているものが扱いやすい。
箸の使い方に慣れたら、マナーも教えてあげたい。箸で器を引き寄せる「寄せ箸」や、箸をくわえたりなめたりする「ねぶり箸」などはやめるよう声をかける。箸を口にくわえたまま歩き回って、うっかり転ぶと危険だ。井桁さんは「使い始めはよく見守って」とアドバイスする。
まずは食べやすい料理「焼きうどん」おすすめ
箸の使い始めは、料理も食べやすいものを選びたい。管理栄養士の中村美穂さんによると、ブロッコリーや高野豆腐などの滑りにくいものや、箸に引っかかりやすい形のものが食べやすい。
おすすめのレシピの一つが焼きうどん=写真=だ。<ニンジンは3cm長さの短冊切りにし、レンジで1分ほど加熱しておく。豚肉は1cm幅、キャベツとニラは3cm長さ、うどんは5cmほどに切っておく。フライパンで豚肉、キャベツ、ニンジン、うどん、ニラをいため、中濃ソースとしょうゆで味付けする。器に盛り、カツオ節をふる>
器は、平皿より
中村さんは「どの食材もあらかじめ一口大に切っておきましょう」と助言する。
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