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第46回医療功労賞

イベント・フォーラム

[第46回医療功労賞]中央表彰10人の横顔(上)

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 地域の医療・福祉に貢献し、難病患者や海外医療の支援に尽力した人を表彰する「第46回医療功労賞」(主催・読売新聞社、協賛・損保ジャパン日本興亜)の中央表彰受賞者10人が決まった。表彰式は12日、東京・帝国ホテルで開かれた。受賞者の横顔を紹介する。(敬称略)

 主催 読売新聞社
 後援 厚生労働省
    日本テレビ放送網
 協賛 損保ジャパン日本興亜

国内部門

人間らしく生きる助けに  (とび)()() 千代子 62 看護師

[第46回医療功労賞]中央表彰10人の横顔(上)

 「特別なことをしたわけではありません」。栄誉ある受賞にも謙遜して話す。

 中学卒業後、看護助手として働きながら定時制高校などに通い看護師となった。

 1978年に赴任した国立徳島療養所(現・国立病院機構徳島病院)で、重症患者300人が入院する結核病棟を担当。 喀血かっけつ に苦しむ患者の看護にあたった。

 次に担当した筋ジストロフィー病棟では、子どもの患者の支援に力を入れた。子どもは症状が重く、進行も速い。テレビの五輪中継に「4年後の五輪は見られないかも」とこぼす子どもの姿を目の当たりにした。絵や音楽、詩などを楽しめる環境を整えた。

 勤続24年のベテランとなり、国立ハンセン病療養所・大島青松園(高松市)に単身赴任。患者の隔離などを定めた「らい予防法」は廃止され、国が補償金の支給を決定。しかし、戻るべき故郷を失ったり、入所者同士で結婚したりして園をついの住み家に決める人も多かった。根強い偏見を 払拭ふっしょく しようと、毎年、四国各県で開かれるフォーラムでは、患者の名誉回復の現状や入所者の暮らしぶりを紹介した。

 いずれも共通しているのは、患者が人間らしく生きられるよう支えることだ。

 2年前から徳島市内の病院で総看護師長として後進の指導にあたる。若かりし日に看護助手を務めた病院だ。「看護師の魅力を伝え、人を育てることで恩返ししたい」と思っている。<徳島市> 

障害、難病の子 リハビリ 緑川正人 71 理学療法士

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 障害などを抱える子どものリハビリテーションに40年以上携わってきた。

 柔道整復師となって5年後に理学療法士の資格を取得。東京都内の病院で研さんを積んだ。そこで得た専門知識をもとに、1977年から郡山療育園(現・福島県総合療育センター)で、障害や難病を抱える子どもたちのリハビリに取り組んだ。

 センターを退職後、子どものリハビリ専門施設がない県北部の病院に勤務。リハビリを必要とする子どもや保護者の助けになっている。現在は、乳児健診などで母親の相談にも乗り、活動の幅を広げている。<福島県国見町> 

体操、食生活 村を健康に 小林貴美江 58 保健師

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 群馬県東北部に位置する川場村で30年以上、地域の健康作りにあたっている。

 就職時、定年を目前に控えた先輩保健師に付いて指導をあおいだ。1年で独り立ちし、全戸回って村民の健康状態の把握に努めた。こうした取り組みが9割を超える高い健診受診率につながり、村は1993年に当時の厚生大臣から表彰された。

 健康の元となる適切な食生活を目指し、減塩とバランスの取れた食事の啓発を進めた。子どもの生活習慣病予防にも学校などと連携して取り組んだ。

 独自の体操を考案し、高齢者の交流の場も創出。介護予防の担い手育成にも力を入れる。<群馬県川場村> 

知的障害者と向き合う 佐々木日出男 85 医師

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 精神科医となって60年近く。今も重度知的障害者の外来診療を続ける。

 1971年から18年間勤務した東京都内の療育施設で、在宅の重症心身障害者の訪問事業などに取り組んだ。

 96年には、千葉県北東部の療養所院長に就任。精神障害に関係する医療機関や福祉施設との連携を深める目的の交流会の発起人となった。

 高齢化で認知症患者を診療する機会が増え、医療関係者や介護職、家族などを交えた勉強会も発足させた。認知症の市民向け公開講座の世話人も務める。院長の職は退いたが、医師の情熱は衰えない。<千葉県旭市> 

精神科救急の第一人者 平田豊明 67 医師

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 精神科医療の中でも、自分や他人を傷つける恐れがあるような重症患者を受け入れ、集中的に治療・ケアする精神科救急の第一人者として力を尽くしてきた。

 在籍する千葉県精神科医療センターは、精神科救急に特化した類のない医療機関で、1985年のオープンの後は最前線で診療にあたってきた。

 症状が改善されれば退院して、早期に地域に戻れるよう体制作りも進めた。24時間の電話相談のほか、在宅患者が訓練などを受けられるようにした。

 昨年、病院長を退任。名誉院長として診療に立ちつつ後進の指導にあたる。<千葉市>

◎ 

  <中央選考委員> (敬称略)
永井良三(自治医科大学長)
新村和哉(国立保健医療科学院長)
五十嵐隆(国立成育医療研究センター理事長)
尾身茂(地域医療機能推進機構理事長)
朝戸裕(国立療養所多磨全生園前園長)
小山眞理子(日本赤十字広島看護大学長)
蒲原基道(厚生労働次官)
武田俊彦(厚生労働省医政局長)
福田祐典(厚生労働省健康局長)
奥村幹夫(SOMPOホールディングス常務)
大久保好男(日本テレビ放送網社長)
山口寿一(読売新聞グループ本社社長)
福士千恵子(読売新聞東京本社事業局長)

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