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がん免疫治療薬(2)投与1回で進行抑制も

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がん免疫治療薬(2)投与1回で進行抑制も

Bさんの経過を説明する清水さん。オプジーボ1回の投与でがんは抑えられている(群馬県高崎市の上中居ファミリークリニックで)

 群馬県の自営業男性Bさん(76)に進行した肺がんが見つかって1年以上。手術を受けずがん治療薬も使わず、今は仕事や農作業ができる。がん免疫治療薬のオプジーボを1回だけ使った後、がんの進行が抑えられているからだ。

 「自分じゃ効いているのか分からない。でも仕事に戻れたんだから、オプジーボのおかげなんだろう」とBさんは話す。

 がんは右の肺に2センチの大きさだった。その時点で周囲の胸膜にがんが散らばり、胸に水がたまる進行がん特有の症状が出ていた。手術ができる段階ではなく、抗がん剤は効果がなかった。

 昨年4月、国立病院機構・高崎総合医療センター(群馬県高崎市)で、使える最後の薬としてオプジーボの点滴を受けた。

 2日後、心臓の働きが悪くなって全身に血液を送れなくなる「うっ血性心不全」を起こし、食事ができなくなった。オプジーボの副作用の一つである心筋炎が起きたとみられる。当時の主治医で元呼吸器内科部長の清水 雄至ゆうじ さん(55)に「この薬はもう使いたくない」とたまらず訴えた。1回だけで治療は休止された。

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