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発達障害・自閉スペクトラム症の新薬治験…「幸せホルモン、鼻にスプレー」

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発達障害・自閉スペクトラム症の新薬治験…「幸せホルモン、鼻にスプレー」

 対人関係を築きにくい自閉スペクトラム症について、鼻にスプレーするだけでコミュニケーション能力の改善を図る新薬の臨床試験(治験)を、浜松医科大学の山末英典教授(精神医学)らが医師主導で始めた。中心症状であるコミュニケーション不全自体にアプローチする薬は初めて。5年程度での製品化を目指す。

 自閉スペクトラム症に対してはこれまで、障害に伴う不安やうつ、興奮など二次的な症状に対応する薬が用いられてきた。

 山末教授らは、「幸せホルモン」と呼ばれ、女性に多いオキシトシンに注目。脳に作用し、協調性を高めるなどとする報告をふまえて研究を重ね、鼻から吸収させるスプレーを帝人ファーマと共同で開発した。

 オキシトシンは陣痛促進や母乳の分泌を促す薬として世界的に使われており、開発したスプレーの安全性もすでに確認。治験は18歳以上55歳未満の男性患者約150人を募り、全国約10か所の大学病院で行う。スプレーでオキシトシンを吸入後、被験者の喜怒哀楽の表情や声色、視線の動きなどを面談形式で確認し、数値化して効果を分析する。

 海外で市販されているスプレーで事前に行った、男性患者延べ60人を対象にした臨床研究では、患者の表情が豊かになり、会話がかみ合う回数が増えるなどの結果がすでに出ている。

 山末教授は「オキシトシンの適切な使用頻度や量はまだ未確認で、患者や家族の自己判断で試すのは危険だ」と話している。

 理化学研究所脳科学総合研究センターの加藤忠史・副センター長(精神医学)の話「中心的な症状に効く薬はなかっただけに、期待は大きい。精神科分野では本格的な医師主導の治験がほとんどなく、その意味でも価値がある」

          ◇

自閉スペクトラム症 】 発達障害の一種で、以前はアスペルガー障害、自閉性障害などと呼ばれていた。症状は様々だが、学校や職場などで人とのコミュニケーションや意思疎通がうまくできず、“生きづらさ”を抱える。患者は100人に1人の割合で、全国で100万人程度いるとみられる。

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