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医療ルネサンス

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がん免疫治療薬(1)効果見極めへ複数回投与

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がん免疫治療薬(1)効果見極めへ複数回投与

2週間ごとにオプジーボの点滴を受けるAさん(手前)と、様子を見守る主治医の町野さん(東札幌病院で)

 札幌市の元公務員男性Aさん(63)は、毎朝約20分、腕立て伏せなどの筋トレを欠かさない。週1回は10キロ・メートルほど歩く。「こんなに元気になるなんて、1年半前は想像もできなかった」と話す。

 Aさんを襲ったのは、肺がんの多くを占める非小細胞がん。2016年6月頃に感じた右胸の痛みがきっかけで、検査を受けたところ、肺がんと、腹部の血管が膨らむ動脈 りゅう が見つかった。同市内の病院で肺がんの手術を先に受け、動脈瘤が破裂しないよう人工血管を入れた。

 だが、手術後に脳と副腎へのがんの転移が見つかった。通常、がんは離れた臓器に転移があると、完治は難しい。「ショックで倒れそうになった」

 抗がん剤治療を受けたが、強烈な吐き気で食事が取れない。体重は10キロ・グラム以上落ちた。副作用が強過ぎて抗がん剤は使えない。ほかに効きそうな薬はなく、最後の希望が、高額な薬価で注目を浴びたがん免疫治療薬のオプジーボだった。

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